トラベルジャーナリストの岩佐史絵です。世界各地を取材してまわるかたわら、プライベートでも2歳半の娘を小脇に抱えて海外旅行へ。どこへ行けば大人も子どももハッピーか? を探しまわって今一番ハマっているのがタイランド。今回はカンボジア国境近くの島、コー・クット(Koh Kood=クット島)で娘とともにゴージャスリゾートを体験しました。
コー・クットはタイ東南部トラート県にある離島で、チャーン島に次いで県内で2番目に大きな島です。とはいえ、自然づくしの素朴な島で、人口は1500人程度、多くは漁をして生活しています。近年では欧米人の間で人気が高まっており、島の南西部に点在するビーチには30にものぼるたくさんのリゾートができています。アクセスはあまりよくありませんが、そのシンプルさに魅了される人が多いのだそうです。
そんな知る人ぞ知るのどかな島コー・クットに昨年12月、超豪華リゾートの「ソネバキリ」がオープンしました。ソネバキリはタイをはじめベトナムやモルディブなどにリゾート展開するホテルグループ「シックスセンシズ」によるプロデュース。ハイエンドな滞在を追及する人々に向けてできた、グループ内で最も新しいリゾートです。ここはスーパーゴージャスリゾートであるにもかかわらず、家族連れが多いと聞き、さっそく娘を連れて行ってきました。
コー・クットへのアクセスは、トラートまでタイ国内線の飛行機やバス、鉄道などで行き、そこからチャーン島を経由して40分ほどのボートの旅。陸路の場合はトラートまでも5時間くらいかかってしまうのですが、ソネバキリは島内にプライベートエアポートを所有しており、宿泊者をバンコクからコー・クットまで直接1時間弱で連れてきてくれるので、子連れの移動も楽! バンコクで前泊が必要なので、リゾートの前に町遊びを楽しんできました。
飛行機は全部で8人乗りの小さなプロペラ機。国際線の飛行機は大きすぎてよくわからないらしいものの、このサイズの飛行機なら2歳の娘も「飛行機! 飛行機!」と大喜び。上空では景色もよく見え、カラフルなパッチワークのような田んぼを指差し「あれなぁに?」と空の旅を楽しんでいました。肥沃なタイ中部の景色と真っ青なタイ湾の景色は大人も一緒に楽しめます。
ソネバキリの最も魅力的なところは、一部屋につきひとりのバトラー(お世話係)がつくこと。バトラーサービスのあるホテルはタイにもたくさんありますが、一部屋にひとりというのはかなりハイクラス。しかも、ソネバキリには日本人バトラーが2名おり、日本人の滞在者が少なければ言葉が問題なく通じるバトラーがついてくれる可能性が高いのです。我々の滞在時も、日本人女性のクミコさんがついてくれました。
一部屋につき一人ということは、その人は完全に我々の専任ということ。チェックイン時には携帯電話を渡され、いつでもどこでも必要のあるときにすぐに電話でバトラーと直接お話することができます。もちろん常識的な範囲でのことですが、24時間いつでも我々のためだけに待機していてくれ、さまざまなポイントで便宜をはかってくれるのです。
さて。さっそく子連れが多い理由を探ってみますと......。
まず、すべての部屋がヴィラタイプでプライベートプールもついているため、周囲を気にせず子どもとゆっくり遊べます。プールの一部は2歳児の膝上程度の深さなので、赤ちゃんも問題なさそう。さらに、ここにはDENと呼ばれる子ども用施設があり、専任のスタッフが朝9時から夕方の5時まで面倒をみてくれます。DENの中には音楽や工作の部屋、ライブラリなどがあり1日中飽きさせないアクティビティがいっぱい。平均2週間は滞在するという欧米人などでは毎日子どもをDENに預け、大人はのんびりと日中の自分の時間を過ごすといいます。5歳から12歳の子どもは預ってもらえ(2歳から4歳までは大人の同伴が必要)、中にはスタッフになついてしまってお部屋に戻りたがらない子もいるそうです。
ホテルやリゾートにあるキッズクラブの多くは親が同伴することが義務付けられていることが多いですが、ここは専任のスタッフがいるので親は子どもの世話にあけくれるのではなく自分の時間を持つことができるというのが大きなポイントでしょう。
また、シックスセンシズの信条は「環境にやさしくあれ」ということだといい、ヴィラ自体もとてもエコ仕様。建材には「完全に土に還る素材」を利用しているので、シックハウスなどの心配もありません。エアコンがついているのはベッドルームのみ。天井が高いため効きもよく、夜間は天井に設置されたファン(扇風機)だけでも暑さをしのげます。バスルームやダイニング、リビング(?)などの施設は屋根つき(一部、ヒルビラのバスルームは屋根なし)ですが屋外なのでもちろんエアコンはなし。とはいえ、目の前にはプライベートプール。暑ければすぐさまざぶんと水に飛び込めばOK。たまには思う存分汗をかくのも気持ちがいいものです。自然のデトックス作用ですっきりしましょう。
1日目はヴィラの外へは出ずプライベートプールで水遊び。ランチはルームサービス(「インヴィラダイニングin Villa Dining」といいます)をとっていただきます。ルームサービスといえどもきちんと室外に設置されたダイニングでいただくため、カジュアルなアウトドアレストランのよう。周囲を気にせず水着のままの気軽なランチとなりました。
本当はサンセットディナーやキャンドルディナーなどロマンチックな演出が盛りだくさんのレストランが3つあるのですが、さすがに2歳児と一緒ではのんびりグラスを傾け......は無理。加えて、どのレストランもアラカルトはなくビュッフェやセットメニューのみなので幼児にはちょっと厳しい(※幼児の場合、子ども用のコースを作ってくれます)。というわけで岩佐親子の滞在中はほとんどインヴィラダイニングをチョイス。しかしタイ料理はもちろん、パスタ、サンドイッチから和食まで、さまざまなバリエーションの中から食欲や気分に応じて選ぶことができ、最終日まで「どれを食べようかな......」と迷うくらい。ワインもちゃんと専用冷蔵庫がダイニングに設置されており、なかなか本格的な品揃え。むしろプライベートルームでいただく豪華ディナーといった雰囲気になり、ご機嫌です。途中で眠くなってしまった娘をベッドルームに寝かせ、あとはのんびり、デッキに出て満天の星空の下、ソファで残りのワインをいただきました。
ちなみに、メニューに載っていなくても材料さえそろえばこちらの嗜好に合わせた簡単な料理を作ってもらうこともできます。離乳食中の赤ちゃんがいる場合はバトラーに相談するといいでしょう。このフレキシブルさは高級である証であり、またタイらしくもあると感激しきりでした。
翌日は娘をDENに預けてスパへGO! 五感に働きかけホリスティックに全身をほぐし癒すメニューの数々はシックスセンシズ・スパのオリジナル。施設内で栽培されたオーガニックのハーブなどをトリートメントにも使用します。1時間半のマッサージでしたが、ここでもある程度こちらの要望を聞いてもらえ、ぐんにゃりとろけてしまうほど"自分好み"のセラピーになりました。
一方、DENに預けられた娘はというと。かなり人見知りが激しいお年頃のため、DENのやさしいスタッフの前でもじもじしてしまい、どうしても中へ入りたがらない。そこへ登場したのが、我らがバトラーのクミコさん。昨日から何度となく顔を合わせている彼女になら心を許せるらしく、素直に彼女の手をとってDENへ入っていきました。結局1日中(ランチには一度親に引き渡します)DENの中で娘と遊んでくれ、お昼寝までさせてくれたクミコさんに、「さすが専属バトラー」と感動すら覚えました。子連れでも安心してのんびりとスパを楽しむことができたのは、ひとえに彼女がいてくれたから。そういうところもまた、子連れが多くなる理由のひとつでしょう。
子連れかどうかに関係なく興奮したのが、昼間のサービス。サロン(外ですが)の一画にはチョコレートの小部屋があり、この中には手作りチョコレートの数々がぎっしりつまっています。また、同じサロンの冷蔵庫には30種類にものぼるアイスクリームがぎっしり......。これ、午後3時から夕方の5時まで食べ放題! ふらりと立ち寄っては(アイスクリームは注文制)全種類試す! とはりきっていたのはむしろ親のほうでした。もちろん子どもも、無制限に食べられるアイスクリームに目を輝かせたのはいうまでもありません。
滞在中は専用バギーを貸してもらえ、自分たちだけで気軽にどこへでも移動できるため、ビーチで遊んで戻ってはアイスクリーム、お昼寝後に散歩がてらチョコレート、と、ことあるごとにサロンに来てしまうことは請け合いです。
部屋で完全プライベートな時間を過ごすのもいいですが、サロンでは近くに座った人とおしゃべりという楽しみもあります。特に子連れ同士の場合は、お隣さんも子連れだったりすると共通の話題があり笑いあふれるひとときになりました。
なにかと気を遣ってしまうことの多い子連れ旅行。プライベート感の高いこうしたリゾートは大人向けと見られがちですが、子連れにもうれしいポイントがたくさんあります。ソネバキリでもファミリー層の利用を歓迎しており、バトラーやほかのスタッフの協力も得られるので、小さな子どもがいるご家族には特にお勧めです。
Soneva
Kiri by Six Senses
110 Moo 4, Koh Kood Sub-District, Koh Kood District, Trat 23000, Thailand
Tel: +66 (0) 3961 9800, Fax: +66 (0) 3961 9808
Web :
http://www.sixsenses.com/soneva-kiri/index.php
シックスセンシズリゾート&スパ 日本連絡事務所:(03) 3662-3500



