Thailand
Globetrotter

テクテクタイランド

Phuket

June 13[Sat], 2009

リゾートアイランドなのにマラソンと B 級グルメ

プーケット

南北50キロ・東西21キロ、タイ王国で最も大きな島・プーケットは、みなさまご存じのとおりアジアを代表するリゾート。どこまでも青い海に白く輝く砂浜、海岸沿いに建ちならぶホテル──ええと、その他もろもろ。とまあそんなプーケットなんですが、毎年6月中旬にマラソン大会が行われていると。えーあんな暑いとこで? でも日本人も多数参加してるらしいですよ。どんな様子かみてみたいでしょ、とボスが言うので、ええもちろんですと答えておきました。「走る」のは苦手ですが「様子をみる」のは得意です。全力で様子をみてきたいと思います。

で、それ以外は自由に見て回っていいらしい今回の取材旅。マジですか。えーと何しましょう。聞くところによるとどうやらプーケットは、いまでこそリゾート地として有名ですが、そもそも古くより国際貿易の拠点として栄えた歴史があり、さまざまな文化が融合しているところ。またその食文化の豊かさはタイ国内でも指折りだとか。そこで今回は、そんなビーチリゾート的なプーケットからすこしはずれますけど、その文化的なところとか、地元のひとたちに人気なB級(?)グルメとかへスポットをあててみたいと思っております。ほら、天気悪いときとかこういうとこ行ったらよくないですか? というわけで、いざ。

静かで真っ青、カマラ・ビーチの朝。

June 13[Sat], 2009 08:10

おはようございます。プーケット国際空港から車で約30分、カマラ・ビーチにありますところのKAMALA DREAMSという宿から本日はスタート。部屋のカーテンを開けてみると、目の前は真っ青な海! カマラ・ビーチが広がっています。太陽の光も気持ちよく、リゾートアイランド=プーケットに来たなあと実感。でも今回の旅は一瞬たりとも海に入らないんですよ。ガイドのスチンさん(日本語ぺらぺら&とってもまじめ)が迎えに来てくれるまで、ボスと仕事のことなんてすっかり忘れつつ、1階のレストランでゆっくりパンケーキをいただきました。

マラソンのスタート地点はラグーナ・プーケット。

June 13[Sat], 2009 08:52

本日の予定といたしましては、とりあえずボスに言い渡されておりますので、まず「第4回ラグーナ・プーケット国際マラソン」のコースを実際に走りながらご紹介、ということにしたい思います。もちろんクルマで。朝の出勤時に走るのもギリギリなのに、灼熱のプーケットを走るなんて無理です。ランナーの方々はほんとにすごいですね……

「はい、ラグーナ・プーケットです」と、スチンさん。ついたところはとにかく広大な敷地のホテル。なんだかだいぶん豪華そうです。池まであって、カヌーとか乗れちゃう感じじゃないですか!と徐々にテンションがあがる私に「はい。ここは昔、錫がたくさん取れましたからね」と冷静に答えるスチンさん。この「錫がたくさん取れた」というのが、この後の旅のあちこちに関係してくるわけですがそれはまた別のお話。どうやらプーケットは以前、錫の産地だったらしく、こういう錫の採掘地跡に水が溜まってできた池がたくさんあるらしいです。いまではそれを活かして、周りにリゾートホテルやゴルフ場がつくられたりもしているとか。

コース前半。市場、水牛、国道4031号線。

June 13[Sat], 2009 09:21

10分ほど走って通りかかったのは、「タラーン・マーケット」というローカルな市場。スチンさんからプーケットならではの野菜とかについてちょこっとレクチャーをうけたりしながら見学。野菜や魚、日用雑貨などがところ狭しと並んでます。テーブル&椅子が置いてあるところでは、地元のおじさまたちがパートンコーという揚げパンとあまーいタイコーヒーで朝ごはん中。めっちゃ「いつものタイの風景」ですが、こんなところのすぐ脇をランナーさんたちが走り抜けると思うとちょっと楽しいです。

さらにそこから車で5分ほど走ると、こんどは水牛の群れと遭遇。50頭ぐらいの水牛さんが道を横断してました。誰かに誘導されているわけでもないのに、綺麗に列をつくってお散歩中なんですが、明日のレース中にやってきたらどうするんでしょうね。ハーフマラソンのひとはこのあたりでUターンします。

水牛さんにお別れした後は、国道4031号線へ。ゴム園を横目にクルマは難なく通り過ぎましたが、この道、かなりアップダウンが激しいです。だんだん陽が昇ってマラソンで走るのはちょっとたいへんそう。

しばらく北上したら、お隣はプーケット国際空港!のシリナート海洋国立公園に到着。ランナーさんたちは当日たいそう辛かろうと思いますが、わたしたちは別に辛くないので公園内のウミガメの放流で有名らしいナイヤンビーチを楽しくお散歩。砂が綺麗な茶色。スチンさんが、ここはゴールデンビーチと呼ばれていて、サンセットの時はとても綺麗デス。人気のデートスポットですよ!と教えてくれました。うん、確かにビーチに座ってサンセットを眺めてたら、ロマンチックな感じします……ひとりじゃなければ。

コース後半。ナイヤンビーチ、PATINO、ラグーナ。

June 13[Sat], 2009 11:01

といった感じでのんびりお散歩した後、国立公園のゲートを抜けて、同じナイヤンビーチでもバーやホテルが並ぶ少し賑やかな方面へ。実は、プーケット国際マラソンのパンフレットに描かれたコース地図には、このナイヤンビーチ沿いに“PATINO”と書いてありまして、そこがフルマラソンのUターン地点なってるみたいなんです。PATINOて何やろ、と思ってたんですが、行ってみたところなんとただの洋服屋さん。なるほど、店先の路面にはUターンのマークが書いてありました……わりに簡素ですね。明日はきっとポール的なものが立つんでしょうか。

ここでわたしたちもUターン。途中ゴム園や中国寺院に立ち寄ったりしながら、スタート/ゴール地点であるラグーナへ戻りました。いやーよく走りましたねクルマでしたけれども。本番は明日早朝5:00スタート。

プーケットタウンでB級グルメその1、ローバ、ミーバシャー、ポーピヤソッ。

June 13[Sat], 2009 13:32

そんなこんなでもうお昼です。ラグーナ・プーケットやマラソンコースは島の西側。そこから反対の東側にあるプーケットタウンへお昼ごはんを食べに移動することにしました。旅はここからが本番です。やりましたね。

というわけでやってきましたのはプーケットタウンの中心地、ディブック・ロードとヤワラー・ロードの交差点にある小さな屋台村。豚の頭や内臓を一度煮込んでから油で揚げたんは「ローバ」。麺(油そば的な)と豚のスープが一緒に出てくる「ミーバシャー」。ピーナツ、大根、レタス、もやし、豚の皮をカリカリに揚げたのが入った生春巻き「ポーピヤソッ」。こちらは甘辛い味噌にちょっと唐辛子がはいったようなソースがかかっていて、野菜のシャキシャキ感と豚の皮のカリカリ感が最高の歯ごたえ。日本でも売れそうです。

とここで、ふと思いました……今日のランチって、豚肉の豪快な使い方とかどことなく中華テイスト溢れてません? スチンさんに聞いてみると「プーケットは昔、たくさんの錫が採れたってさっき言いましたね。そのために世界中から、とくに中国からたくさんの人が移り住んだんです。だからプーケットには、中国文化がたくさん残っています」おおなるほど。こういうのがプーケットの文化なんですねー。

ディブックロード(Dibuk Rd)をテクテク

June 13[Sat], 2009 14:30

ランチの後は、屋台村の前の道、ディブックロードを少し歩いてみました。どことなく中華テイストの混じった建物が並ぶディブックロードを歩くこと40メートルほど、 ラーン・カノム・プンムアン・プーケットというお菓子屋さんを発見!軒先にテーブルを出してお菓子を並べていたのは、KOさん(45歳)という男性が営むお店。90年ぐらい前に中国からお祖父さんがプーケットへ渡って来られたそうで、KOさんは3代目で、お祖父さんの代から中華系のお菓子を売っていたそうです。テーブルの上には、ビニール袋に入れて小分けされたお菓子が所狭しと並んでいました。頂いた月餅(げっぺい)の「タオソー」の中には、卵の黄身が入っていて、甘めでボリューム満点でした。ランチすぐ後でなかったら、たくさん食べたかったのですが、さすがに断念しました。

プーケットタウンのチャイナなお寺、チュイティ寺院。

June 13[Sat], 2009 15:00

プーケットタウンのなかにあるチュイティ寺院へ。道教の女神・斗母が祀られているこちらの寺院は伝統的な中国様式で、境内へ入るとお経が聞こえてきます。お寺のなかにはいくつか石像があるんですが、これはもともと、その昔、中国の人がタイへ来る時、船の下に入れてバランスを取っていた石だったのだとか……無事タイへ到着した後、その石をお寺やお墓に飾るようになったそうです。

境内を見て回っていると、おみくじを発見したのでやってみることに。まずお賽銭を入れて、占いたいことを思い浮かべながら、数字の書かれた棒が入った缶を振ります。うまく棒が1本だけ出たらOK。2本以上出た場合はやり直し。1本だけ棒が出てくるまで続けます。

私は一発OKで「14番」を引きました。どれどれ……『偉い人になる。でもあまり大きなことを考えてはダメ。そして威張ってもダメ。家庭環境は安心。いまの恋人で間違いない。自分自身が思ったもので間違いない。結婚もOK』えーと、私はいつイイヒトと巡りあえるのだろう……と思いながら缶を振ったんですが……まぁ、自分自身が思ったもので間違いない、ということで、これからは自分の直感を信じて生きていきたいと思います。ちなみに。こちらでは良いおみくじじゃなかったら、爆竹で吹っ飛ばすそうです……えらい派手ですね。爆破したいくらいのおみくじがあるってことでしょうか。

不本意なおみくじは爆竹で爆破、シャロン寺院。

June 13[Sat], 2009 16:46

こんどはプーケットタウンの南にあるシャロン寺院へ。ここはタイ全国各地から人々がお参りに来る、とても有名なお寺なんだそうです。お参りされているタイの人に混じって、私も像に金箔を貼らせていただきました……とここで、外でババババーンというもの凄い音。びっくり! 外に出てみると、爆竹祭(!?)が開催されていました。そうそう、先ほどの「良いおみくじじゃなかったら、爆竹で吹っ飛ばす」というアレですね。スチンさんいわく「バンコクなどの都会では見られなくなった、田舎ならではの習慣ですね」とのこと。高さ5メートルほど、レンガ造りの炉のような塔のような建造物の内部で、係のおじさんが思いっきり爆竹を炸裂させてました……1000発ぐらい一気に鳴ってたんじゃないでしょうかね。すごい音圧で驚きます。どれぐらい悪い結果が出たのでしょうか……

プロンテープ岬で夕陽をみよう!

June 13[Sat], 2009 17:31

そろそろ日没も近くなってきましたので、プーケット最南端にあるプロンテープ岬に向かいます。プーケットのなかでもいちばんの夕陽スポットなんだそうですよ。岬は公園のようになっていて、広場には、ヒンズー教の神様が祀られていました。なんだか今朝からいろいろな神様に遭遇している気がします。これもまたプーケットの文化なんでしょうね……ちなみにこちらでは、願いごとが叶ったら神様の乗り物である象の置物を供える習慣があるそうで、広場にはたーくさんの象の置物がありました。これだけの置物があるということは、それだけ願いが叶っているということ!

そして、公園からさらに岬の突端めざして約10分、そう、ここがプーケットの最南端。ベストポジションをゲットしてサンセットを……と思いましたが太陽が沈んで暗くなっちゃうと帰り道がアレなので、ちょっと公園のほうへ戻って夕陽を満喫。ちなみに、この日は土曜日だったからかもしれませんが地元の人もかなり来ていて、場所取り合戦のような一幕も。早めに行って良い場所を陣取っておくことをお勧めします。

豪華でキラキラ、これがあのプーケット・ファンタシー !

June 13[Sat], 2009 20:20

綺麗なサンセットを眺めた後は、シャロン湾のベジ料理の店「チェー」で野菜カレーなどを食べ、プーケットのあちらこちらで超ド派手な看板を掲げる「プーケット・ファンタシー」へ直行。ええ、前々から一度は行ってみたいと思っておりました。こちらはプーケット最大のテーマパークなんだそうで、遊園地のような乗り物あり、レストランあり、パレードあり……とにかくいろいろありまして、なかでも目玉はラスベガススタイルな劇場でのショー、その名も「王国のファンタジー」。

ショーの開演時間は21時。座席数3000を誇る劇場に入ると、まずはアプローチのところでホワイトタイガーや象さんといった動物たち(本物)が出迎えてくれます。カメラマンさんたちも同時に出迎えてくれますので一緒に記念撮影もできますよ。むろん有料ですが。そして座席に着くと、まずタイ語、中国語、韓国語、日本語、英語でアナウンス。ワールドワイドですね。1時間30分を要するこのショーは、ビルマ軍に奪われた奥さんをカマラ王国の王子が助けに行く!というストーリーで、150人の出演者のうえ象も30頭登場、内容もタイ舞踊、空中パフォーマンス、花火、マジック……とパンフレットに書いてありましたが、シルクドゥソレイユにリアル・ライオンキングを足した感じでしょうか? とにかくキラキラ豪華なショーでした。なかでも感心したのは、動物たちがとてもよく訓練されていたこと。馬、水牛、鶏、山羊、鳩、みんな中に人がはいってるのかと思うくらい。だって3歩あるいたら物を忘れることで有名なあのニワトリまで、一列に並んでまっすぐステージの右から左へと走っていくんですよ。恐るべしプーケット・ファンタシー!