タイカレーばっかりダイエット3泊4日
September 6[Mon], 2010
学校を卒業してこのかた社会の荒波に揉まれ続けて幾星霜、ああ青春は遠くなりにけり。そんな時代もあったねとーいつか話せる日がくるわーなわたしのもとへ、なんと女子大生とタイへ行ってこい!という話が舞い込んできました。なんでも大学生が考えたタイ旅行を実際にやっちゃいましょうという企画なのだとか。おお、いまどきの女子大生ですか。ならば「スパにエステで買い物三昧3泊4日豪遊の旅」に違いない! というわけで即答にて引率役をお引き受け。がしかし、後日学生さんがつくった企画書を見てびっくり。題して「タイでおいしいダイエット」、副題は「タイカレーだけでおいしく痩せよう」。マジですか……
たしかに、野菜がたくさん入っていてヘルシーだし、さまざまなスパイスの効果で汗もかくのでダイエット効果があると言われているタイカレー。そこで旅行中カレーを食べ続け、さらに観光地をめぐってダイエット効果を促進しちゃいましょう、と。……斬新。わかる、わかるよ。確かにカレーはおいしいし、汗もかくと思う。でも、痩せるかなー。
がしかし、旅に必要なアイテムを次々と渡され、女子大生からは「タイでお世話になります」という可愛らしいメールが届き、気づいたら出発日。あー、もうっ! とりあえず行って参ります!
体重測定から始まる旅。
September 6[Mon], 2010 16:20今回の主役は、もちろん平成生まれ、関西学院大学1回生のアキコさんとエリカさん。アキコさんはアメリカ在住経験があり、明るく元気なコテコテの大阪人。学校ではなぜか「師匠」と呼ばれているそうで、「先輩や男子からも師匠と呼ばれて恥ずかしい&恋愛とかに発展しない空気感出まくり」なのが最近の悩み。相棒のエリカさんは、鳥取県から出てきて約半年のホワンとした天然さん。そして「師匠」の命名者。大阪人のアキコさんに関西のさまざまなしきたりについて教えを乞い、師匠と呼ぶようになったんだとか。ちなみにエリカさん、今回が初海外旅行。いいんでしょうか……こんなので。
そんなふたりと出会って開口一番、言ってやりました。「今回はダイエット企画だから、体重計乗ってもらうから!」冷たい大人と思われても仕方ない。だって、わたしの鞄には体重計が入っているんですもの。測って、測って、測りまくっちゃいますよ。だってだって、この旅を計画したのは君たちなんだから!というわけでスワンナプーム国際空港に着いたところではありますが、これからの基準となる最初の体重測定。警備員のお兄さんが物珍しそうに見ていようが関係ありません! はっきりとした数字はお年ごろの女子のため差し控えますが、ふたりとも機内で出されたものはアイスクリーム含めすべてきれいに食べてました……いやいや痩せるつもりないでしょ!
フードコート、侮りがたし。マーブンクロン・センター。
September 6[Mon], 2010 17:23まずはバンコクのど真ん中、地元っ子で賑わうMBK(マーブンクロン・センター)へやってきました。7階建て、300軒以上のお店が集まったショッピングセンターです。リーズナブルな商品がたくさん!なので、まずは軽く買い物でも……と思ったわたしを余所にガンガン進んでいくガイドのタオさん。到着したのは6階のフードコートでした。学校帰りの学生さんや買い物途中のファミリーたちが、ちょっと軽食でも、といった雰囲気の夕暮れ時。タオさん指示のもとおとなしく待っていると、カレー3種(いずれもwithご飯で100B)がドカドカっと運ばれてきました。
「カレーはタイ語でゲーンと言います。頼んだのはゲーン・テーポー(空芯菜と豚肉のレッドカレー)、ゲーン・キーレック(タガヤサンのカレー)、ゲーン・ペッド・ペッヤーン(焼きあひるのカレー)、どうぞ食べてください」とタオさん。どれもタイ人の家庭でよく食卓に上るカレーなんだとか。共通しているのはココナッツミルクをベースにしたこってり味。それにしても、フードコートでもこんなカレーがでてくるなんて、さすがタイ。
タガヤサンのカレーには、「苦っ!!」と期待通りのリアクションをしてくれたアキコさん。タガヤサンは東南アジア各地で広く栽培されている三大唐木のひとつで、その若葉と花に苦味があるものの、ビタミンが豊富でかつ便秘によいとされ、タイではカレーとして昔からよく食卓に上っているとか。苦いのは身体にいい証拠なんですよ、とタオさん。うちのばあちゃんも同じこと言ってましたよ。
☆ゲーン・テーポー(空芯菜と豚肉のレッドカレー)[แกงเทโพ]
メインの具は、豚三枚肉と空芯菜だけ、ココナッツミルクをベースとしたレッドカレー。ただ、ここでつかう空芯菜は炒めるのによく使う中華のもの(パック・ブン・ジーン)ではなく、ソムタム(パパイヤサラダ)などに添えて食べるやや硬めのもの(パック・ブン・タイ)を使用。畑ならどこにでも生えているということもあって、農家の家庭などで簡単なおかずとしてよく食べられます。
☆ゲーン・キーレック(タガヤサンのカレー)[แกงขี้เหล็ก]
タガヤサンの若葉と花をつかったレッドカレー。たいてい牛、豚、タニシのどれかが具に入ります。若葉に少し苦味があり、独特な味わい。ビタミンAとビタミンCがとても豊富で便秘にも効くといわれます。
☆ゲーン・ペッド・ペッヤーン(焼あひるのカレー)[แกงเผ็ดเป็ดย่าง]
甘味の濃いココナッツミルク、そして塩味の効いた焼あひるにパイナップルやトマトの酸味を入れることでまろやかで上品な味わいになるこのレッドカレーは、宮廷料理として考案されたと言われます。トッピングにミントや生の胡椒の実が入り、見た目も上品。
続けてそうめんカレーもトライ。
September 6[Mon], 2010 18:006階フードコートで結構しっかり食べ、「ちょっと運動のつもりで歩こう」的な雰囲気の女子ふたり。しかしガイドのタオさんはそんな空気読みません。今度はワンフロア下、5階の“THAI NOODLE”……もう着いちゃいました。
店の入り口では、学生服姿の高校生たちが、ふやけた素麺のような細い麺の上に、何やらいろいろ乗せています。こちらは米麺の上にカレーをかける「カノム・チーン」という、タイでは超メジャーな食べ物。ここはビュッフェスタイルのお店なので、いろいろ(この日は6種類)なカノム・チーンが楽しめるんだとか。タオさんに言われるがまま、麺の上にカレー、そしてつけあわせのきゅうりやハーブの葉をガンガン乗せて、着席するころには両手にお皿を持っていたアキコさんとエリカさんだったのでした。さっき食べたばっかりなのに……
ゲーン・キアオ・ワーン・ガイ(グリーンチキンカレー)に「グリーンカレーはグリーンだよ!」とご機嫌だったアキコさんも、タイカレーの中でもとくに辛いと言われている南部地方のカレー、ゲーン・タイ・プラー(魚の内臓のカレー)を食べたときには「喉にくるーーー」とちょっと涙目。その横で、濃い肌色のような一見辛そうに見えないカノム・チーン・サウナーム(パイナップルと干しエビのあんかけそうめん)を口にして「あーーー」と言葉にならない叫びを発するエリカさん。そしてそんな2人を満足気に見守るタオさん……
ん? ちょっとわたし気づきました。「タイカレーを食べて痩せる」という企画のふたりに対して、「どれだけいろんなカレーを食べさせてあげれるか?」という思考のタオさん。なるほど。意地悪と言われようが、わたしなんだか楽しくなってきました。こうなれば、とことんタイのカレー研究をしてみようではありませんか。
☆ゲーン・キアオ・ワーン・ガイ(チキン・グリーンカレー)[แกงเขียวหวานไก่]
日本でもお馴染みなタイを代表するカレー。主な具は鶏肉とナスですが、本場のタイではグリーンピースほどの大きさとかたちをしたナス(マクア・プアン=Turkey Berry)を用います。少し苦味がありますが、消化にいいとされ、カレー以外にも焼いてエビ味噌のたれと食べることも。
☆ゲーン・タイ・プラー(魚の内臓のカレー)[แกงไตปลา]
南部タイを代表する激辛のカレーのひとつ。ココナッツミルクをつかうものもありますが、一般的には魚やエビからだしをとり、味つけとしてエビ味噌のほか、ターメリックや生の唐辛子などを用います。普通のカレーよりも辛いけれど、カノム・チーンに良く合います。
まだまだ食べます。トゥクトゥクでGO!
September 6[Mon], 2010 19:43すっかりお腹いっぱいになった後は、今夜の宿泊先、アイ・レジデンスにチェックイン。ちょっと休憩でもーと思っていると、優しい笑顔でタオさんがひとこと。「ディナーへ出発しますので、部屋に荷物だけ置いたらすぐに集合です」……マジですか。よく考えたらわたしも一緒に食べるからあんまり彼女たちを笑ってられないんじゃ……
タイに着いて4時間ほど、ほとんどカレーとしか向き合ってない一行なので、ちょっとバンコクの風を感じてみようとトゥクトゥクを呼び止めます。いつも思うけどトゥクトゥクはスピード感すごいですね! ワーキャー言いながら大都会バンコクを走り抜けて……「ハイ、ここです」えー。5分で着いちゃいました。
閑静な住宅街にあるおしゃれな空間、ザ・センシュアル・レストラン。
September 6[Mon], 2010 19:53車の行き交う大通りでトゥクトゥクを降りて、1本細い路地に入ると、なんだか閑静な住宅街のような雰囲気。そこでお庭も綺麗な洋館のこじゃれたレストランを発見! タイのファッション誌の撮影にも使われているというこちらのザ・センシュアル・レストランは、金曜日と土曜日にはライブ演奏もあったりして、タイのお洒落な若者が集う人気のカフェレストランなんだとか……確かにシックなインテリアでまとめられた店内は、少し暗めの照明でイイ雰囲気。女子大生ふたりも嬉しそうです。とここで、メニューを見ながらタオさん、「チキン・ポークのレッドカレー」を注文。あーまたカレーかあ……
しかし、ロティで食べるこちらのカレーをエリカさんが絶賛! 確かにマイルドな優しいお味。その他に頼んだ、食感がたまらない揚げ豆腐withタマリンドソースや、プリップリの海老が入ったスパイシースープ、ゲーン・ソム・チャオム(チャオムのカレー)もおいしいです。そしてそして、さらにケーキ頼む女子ふたり。ああ確かにショーケースに並んでたオリジナルケーキ、おいしそうでしたけど……趣旨おぼえてますかっていうか、ほんとよく食べるね……
☆チキン・ポークのレッドカレー[แกงเผ็ดไก่กับหมู]
鶏肉と豚肉が両方具になった、ココナッツミルクベースのカレー。タイの家庭ではチキンはグリーンでもイエローでも、そしてレッドでもいけますが、豚肉は基本的にレッドカレーにしか用いないのが決まりになってます。ご飯や素麺のほか、フライパンで軽くバター焼きしたナン(=ロティ)と食べるのもおしゃれでおいしくて、女性に人気です。
☆ゲーン・ソム・チャオム・クン[แกงส้มชะอมกุ้ง]
天ぷらにしたチャオムと呼ばれるタイ独特の若葉とエビを主な具に、エビ味噌、唐辛子そしてタマリンドを材料にしたスープ風のカレー。ココナッツミルクを全く使わないこちらのカレーは「ゲーン・ソム」と言い、家庭ではよく食卓に上ります。ココナッツミルクのカレー「ゲーン・クア」よりカロリーが低く、またタマリンドの酸っぱみが効いている(ソムは酸っぱいの意味)ので、暑いタイの気候に良く合います。
マッサージでリラックス! ヘルス・ランド。
September 6[Mon], 2010 21:10食事の後は、タイでは欠かせないマッサージ。今宵は、予約をしておいた方が良いぐらい人気だというお店ヘルス・ランドへ。一瞬「ここはホテル?」と思ってしまうほどの大きな建物。お店の中はとても清潔でマッサージのお姉さんたちも気さくな感じ。とくに今回は初海外(エリカさん)の人もいるし、第一印象はたいせつですよね。タイ式マッサージを受けること2時間。わたしは気持ちよくいつものように秒殺で寝てしまいました(なんでもこのマッサージ店はスポーツ選手も通う凄腕マッサージ師が揃っているそうです。そりゃ上手いはず!)が、ほとんどマッサージを受けたことのない女子大生チームは、最初くすぐったかったようで、気をまぎらわすためにふたりでしりとりをしていたのだとか。まあマッサージがくすぐったいのも若い証拠かも。でもそのうち気持ちよくなっちゃって、気づいたら寝てたらしいですけどね。
発表です。さあホテルに戻って、本日の成果を見せてもらいましょうか。計量タイムです。なぜかフィットネスマシーンが置かれた廊下に、日本から持参の体重計をドドン!と置きまして、いざ!
基準値から:アキコさん+0.9kg。エリカさん+0.6kg。
順調に増量しております!
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