朝霧のメコン。
November 22[Mon], 2010 08:05おはようございます。快適な朝を迎えております。お祭りの翌朝ってなんでこんなに静かに感じるんでしょうね。ちょっと空気がひんやりしているなあ……と窓の外をみると辺りはぼんやりとした霧に包まれています。そういえばルーイ県は標高が高いので霧の街としても有名でした。タイ人のみなさんたちは早起きして霧見物に出掛けているのかもしれません。私たちも朝食がてらお散歩へ!
ひとまずメコン川沿いの小道を歩きます。300mほど先の向こう岸はラオスなのだけど、霞んでいてみることができません。静かに水面を滑っていく船も時折濃くなる霧の中に溶け込んでいきそうです。ミルク色の川面とは対照的に、建ち並ぶ宿の庭先やこぢんまりしたカフェの脇にはきれいな色の花がたくさん植えられています。タイの人はお庭がとっても好きですね。
適当なところでメインの通りに戻り、宿でもらった朝食チケットのお店へ。ザ・オールド・チェンカーン・ブティックホテルにはレストランがないので、ここ9番通りの食堂・ルークでチケットを見せて、設定されているメニューから好きなものを選ぶシステム。私たちはトム・ルアット・ムー(豚モツのスープご飯つき)とディムサム(飲茶)のセットを注文。トム・ルアット・ムーはモツとたっぷりのパクチー、ニンニク、ネギの他に豚の血を固めたものが入ったスープなのだとか。おお、朝ごはんにそんなものを、と一瞬思っちゃいましたが、でてきたものはあっさりした塩味のスープにパクチーが効いていておなかに優しそうなメニューです。飲み過ぎた次の日の朝にはぴったりですね(そんなに飲んでませんけどね)。
自転車でひとまわり。おばちゃまのネームクルック。
November 22[Mon], 2010 10:00本日のミッションは「自転車でチェンカーンの街を散策」です。さっそくホテルの3軒隣りにあるチェンカーンゲストハウスで自転車を借りることに。自転車は一日50B、マウンテンバイクだと100B。ちびっこな私はちょっぴり脚が届くか心配しつつもマウンテンバイクをチョイス。通りを西に向かってこぎだすことに。
昨日は夕方の到着だったのであまりみられませんでしたが、メインストリート沿いはどこもチーク材でつくられた木造2階建ての建物ばかり。以前は市場に使われていたという間口の大きいものから、こぢんまりとした築100年なんて建物も! うーん、重厚でみるからに頑丈そうなチーク材の折れ戸を空けはなせば、お店やカフェにぴったりの解放的な空間に早変わり。たしかにオーナー志望の若者がここの雰囲気に惹かれて集まってくるのも分かる気がします。そんなとある店先バーン・セーンチャン・カフェの前に仲良く4人並んだおばちゃまたちを発見! 目の前には山のように盛られた……コロッケ?
「ネームクルックをつくるのよ」とおばちゃま。ネームはこの地方のソーセージでクルックは混ぜるの意味。いったいどんな料理か気になったのでさっそくオーダーしてみることに(30B)。まずボールにライスコロッケとソーセージを投入して、手でほぐします。さらにみじん切りにしたネギ、パクチー、豚の皮と生姜、唐辛子を入れてよくまぜまぜ。最後にライムをギュッと絞って完成です。見た目は冷たいまぜご飯といったところ。さてどんなお味かな……おお、これはおいしい! ほどよい酸味に豚皮のこりこりとした食感がくせになります。さっき朝ご飯を食べたところなのに、ペロリと一皿食べちゃいました。
お布団工場に潜入!
November 22[Mon], 2010 11:00ラオス様式のお寺、ワット・シー・クンムアンを見学した足でまだまだぶらぶら。籠の中の鶏や紅白のカオタン(餅米を丸く整えて干した煎餅のようなもの)が干してある道を走りぬけ、辿り着いたのは何かの工場? お休みなのか人気のない場内へ足を踏み入れるとそこにはてんこ盛りの綿ワタ。そうです、ここは昨日聞いたチェンカーン名産の布団工場。工場の奥では美しい紫に染められた糸も干されていました。いったい何ができるんでしょうね。
工場の隣には製品を扱うお店・ボイヒアンが。しっかり綿の入った布団590Bから、クッション、タペストリー390Bにストールなどの小物まで。さんざん悩んだ挙げ句、ストール小30Bを2枚、大130Bを100Bに値引きしてもらって2枚お買い上げ。ストールはピンク・ブルーのどちらも濃い茶色に縁どられ、黄色をベースにオレンジや緑といった細いラインが入った織り柄。「ソンファンクーンという柄なの、娘が考えたのよ」とお母さん。真ん中の色がメコン川を表しているのだとか。さしずめ青は昼間の、ピンクは夕陽に染まるメコン川のイメージでしょうか。とっても素敵です。
クッションが欲しい。
November 22[Mon], 2010 12:00さっきのボイヒアンで買い物熱に火がついてしまいました……。自転車に乗っていても昨夜の宿にあった三角クッションが気になって仕方がありません。と、さすがは名産品、またもや眼の前に布団屋さんが! これはチェックしなくては、と入ったのはチャールワンというお店。布団から小物までこちらも幅広く扱っています。私が気になっていた三角クッションはクッションが1段のもの350B、2段で450B、3段で550B(650Bからの値引き)。タイカラーの紫のものがとっても気になったのですが、2つ欲しいのと嵩張るのでずいぶん悩み……またしても保留することに。カメラマンはとっとと自分用の小物をお買い上げです。
ワット・マハータートで偉いお坊さんに会う。
November 22[Mon], 2010 12:30ソイ14までやって来ました。ワット・マハータートを訪れる前に西隣の食堂・パーリーの店で腹ごしらえをしていきましょう。カオ・プンナンチェオは鳥ガラスープにセンミー(細い米粉麺)、豚のモツが入っていて、とてもあっさりしたお味です。ゲーンセンは鶏ガラと豚骨のスープに春雨が入ったもの。うーん、今日も食べ過ぎそうな予感がします……。
お腹が落ち着いたところでお隣のワット・マハータートへ。こちらは1654年設立のチェンカーンで最も古い寺院なんだとか。本堂はルアンパパーン様式ということで屋根を支える飾りに特徴が。さっそくお参りをしていると奥から恰幅のいいお坊さまが声を掛けてくださいました。このお方、プラクルー・ンスクーンブン・ソープンさんという徳の高いお坊さまだそう。14年間もの長きに渡って寺もない森の中を歩き続けて修行をしたそうで、とても尊敬を集めているためこの寺には毎日全国から供え物が届くのだとか。昨日はお祭りだったので庫裏にはたくさんのお供えが飾られています。ちょうどその後片付けを他の僧侶に指示していたご様子。お話をしながら昨日の様子を写真でみせてくれました。昨日の今日でもう写真があるなんて、意外とハイテクですね。瓢箪のお守りとカレンダーをありがたくいただき、お礼をいってお別れしました。
自転車ぶらぶらのゴールは昨日のお祭り広場の前、ワット・ターコックです。こちらは古い建物が残っているわけではありませんが、53年前に地元の人々が寄付をしあって再建したものなのだとか。チェンカーン様式、というものの特徴があるのかどうかはわかりませんが、決して華美ではない装飾に明るく柔らかな色使い、エルメスのスカーフを思わせるような天井画にどこかユーモラスなモチーフと、この街の人々の気質を表しているように思えました。
赤い薔薇号で川下り、ケン・クックー。
November 22[Mon], 2010 15:30本日の宿バーン・ウンラックに移動した後、チェンカーンからメコン下流へ約5km、ケン・クックーにやってきました。「川の中の浅瀬」を意味するケン・クックー。メコン川が大きくカーブする地点にあたります。ここでは急に流れが早くなり、岩の間をぬっての急流下りが人気です。
ということで私たちも遊覧船レッドローズ号でいざ出発! 20人乗りのこのボート、とにかくとっても長〜いです。屋根もついていて快適かいてき。水上から眺めるラオスには人影もありませんけれど、タイ側の岸辺にはたくさんのバナナ畑や網を投げる漁師さん、はたまた木々の間に西日を浴びて輝く巨大仏像の姿が。
「あれはプー・クワャーイグン(水牛寺)だよ」とエークさん。ケン・クックーにはうずくまる、倒れるなどの意味もあるのだとか。なんでも700年前、この地にチェンダーンという狩人がいて、弓で水牛を獲って生計を立てていたのですが、船の漕ぎ手が出す声で獲物がにげてしまうと。怒った狩人は仕返しをしてやろうとプー・クワャーイグンまで石や竹を運んで作戦を練っていたのですが、折れた竹で大怪我を負ってそのまま動けなくなり亡くなってしまった、というお話が残ってるらしいです……なんでそんなお話が700年語り続けられているのか正直謎ですが、あの場所から見下ろすメコン川もまた、当時とさほど変わらない雄大な風景が広がっているんでしょうね。
ともあれ、船は進みます。一年を通して茶色い水を湛えるメコン川、この辺りのもっとも深いところで8mほど。ラオスとの国境はその最も深い部分とされていて、メコン川に浮かぶ島々は全てラオスのものなのだとか。浅瀬の岩々はどちらのものなのかわかりませんけど、漁師さんたちはその影に潜む大ナマズや川エビ、海苔などを獲っているそうですよ。
船着き場へあがって、地元の子供たちとフラフープで遊んでるとお腹がすきました。なんともいいタイミングで近くの露天ではカリっとあがった川エビのかき揚げ(20B)が! さっくさくの食感、川エビの香ばしさ……ここにビールがあったら最高に幸せなんですけれど。
夕陽を追いかけてプー・トックへ。
November 22[Mon], 2010 16:44夕陽に染まるメコン川を撮りたい、というカメラマンたっての希望で一行はプー・トックを目指すことに。チェンカーンを訪れるタイ人は早朝にこの山に登って雲海を見物するのが定番だそうです。しかも山頂まで車でアクセスできるのだとか。太陽もずいぶん傾いてきて気持ちは焦るのですが……あれ? 山頂への道が封鎖されてます。今朝もタイ人が登っているはずなのになんでー? と眼の前の庭先でくつろいでいたおじさまに尋ねましたところ、プー・トックは電波塔が建てられているために入山が8:00から17:00までと規制されているとのこと。ただし朝は雲海をみる人々のためにこちらのおじさまがゲートをわざわざ開けてくれているのだとか。どうしても、とウィンクしながらなんとか頼み込んでゲートを開けてもらい、先を急いだのですが……無情にも夕陽はなんでもない道を走る私たちの眼の前で沈んでいったのでした。あらら。
少々がっかりしながらも山頂へやってきた私たち。サンセットには間に合いませんでしたが、大きくうねるメコン川、そして幾重にも連なるなだらかな稜線が残照の空に溶け込む美しいパノラマをみることができました。明日はなんとしても早起きしなくては!
ラビアン・リムコーンでディナー。
November 22[Mon], 2010 18:30今日も盛りだくさんな一日でお腹がぺこぺこです。昨晩はあっさりと麺類なディナーでしたが、今日はゆっくり食べたいね、と意見が一致したのでイサーン料理のレストラン、ラビアン・リムコーンへ。こちらは川沿いのバルコニー、という意味だそう。なるほど、眼の前はまさにメコン。や、真っ暗で何も見えないんですけどね。あと1時間早ければ薄暮のメコンを楽しめたんでしょうね……。気分だけでも、と川沿いのテーブルを陣取ってエークさんにおすすめのイサーン料理を選んでもらいました。
まずはラープ・プラー。少し湯通しした魚のラープでにんにくたっぷり! 辛さ控えめで日本人には馴染みやすいおいしさです。次にトムヤム・プラー・ナンコム。カンというメコン川の白身魚のトムヤムで、澄んだスープにクシ切りのトマトが入っていてほどよい酸味。そして生しいたけの天ぷら、ヘッホームコー。日本にもある料理ですが、タイだと小ぶりで肉厚のものを軸ごと揚げてスイートチリをかけちゃいます。これがなかなか! あとはイサーンの野菜炒め、パックートにヤム・シークローン・ムー。豚バラ肉の唐揚げにネギとタマネギ、たっぷりのピーナッツに唐辛子の辛味を効かせたソースがかかっていてビールのすすむ一品。ああ本当に、今日もよく食べよく動きました! 明日の朝に備えて今晩は早く休まなくては……。
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