プー・トックから雲海を眺める。
November 23[Tue], 2010 06:10おはようございます。今朝はなんとしても雲海を! というわけで5:15に起床。身支度を整えてエークさんたちとおちあい、バンに乗ってプー・トックへ。昨日の思わぬ予習のおかげで迷うことなく現場に辿り着くことができました。かなり早い時間にも関わらず山頂にはたくさんの車が。そして写真にうつるタイ人の服装にご注目ください! 確かにダウンを着込んでもっこもこ&マフラーぐるぐる巻き。昼間は暑いので旅の主旨をすっかり忘れていました。さすがにこの冷え込みはタイ人にはこたえるようで、ダウンでなくてもありったけの服を着込んでいるもよう。かくいう私も薄手のワンピースにダウンというなんともアンバランスな格好で山頂にやってきました。
さて、電波塔を回り込むと、眼の前に拡がる雲海! 遠くの山々まで、昨日見えていた田畑を覆い尽くして見渡すかぎり白い海です。湿気を充分に含んだ空気が夜間冷やされて霧となり、風がないために盆地状の土地に留まり続けることで生まれる雲海。太陽と満月が同じ空にのぼる、夕べの残照とはまるで違うミルク色と青に染まる景色。まるで東山魁夷の絵の中にいるようで、思わず何度もシャッターを押しました。タイ人に限らず、私もこんなに立派な雲海に出会ったのは初めて。まさかの初体験? とっても満足です。
朝食といえばパートォンコー、ただし具入り。
November 23[Tue], 2010 07:00お腹が空いたので近頃人気なのだというパートォンコー・ヤッサイを食べに、市場にやってきました。パートォンコーとはタイで言うところの揚げパンで、これはさらにその中に春雨とミンチ、人参をはさんだものだそうですよ。朝は1種類のみということでオーダーし、ベトナムコーヒーのカフェ・ボーラーンや豆乳を飲みながら待つことに。
生地を手際よくのばして棒状にし、具を巻き込んでつぎつぎと成形していくお兄さん。みていて気持ちよくなるくらいの手さばきです。できたそばから次々と油の中に投入し、こんがりとキツネ色になったところでとりだします。一口大に切ったら完成。うーん、みるからにおいしそう! 春巻きの皮がちょっと分厚くなった感じ、と言ったら近いかもしれません。この組み合わせに間違いはないでしょう、人気があるのも分かります。このルン・ムック(メーアルンシー)というお店は、タイのTVでも紹介されていたそうで、私たちが食べている間も次々と若者ができたてのパートォンコー・ヤッサイを買っていきました。
お腹が落ち着いたら場内をぶらぶら。魚や野菜、お惣菜の他にはバービー人形や衣類まで。霧に包まれて静かにみえるチェンカーンですが、市場はどこでもやっぱり活気にあふれてます。
ちょっぴりアートな雑貨屋さんで。
November 23[Tue], 2010 08:30お腹が落ち着いたところでホテルにもどり、チェックアウトの用意。意外と早く片付いたので、待ち合わせの時間までぶらぶらすることに。まだ早い時間なのに、お店は結構オープンしています。手編みのニット帽や店先のミシンの上で眠るニャンコを冷やかしつつ、お目当てのアーティスティックな雑貨のお店へ。一昨日の夜に通りかかって、あまりのかわいさにやられてしまったのです。バーン・プルーン・プルーンというこのお店、夢中、とかうっとりしちゃってたまらない! とかいう意味なのだとか。あぁ本当に、店内にはヘタウマとキュートの絶妙なブレンド加減が女心をくすぐる小物でいっぱいです。悩みに悩んだ挙げ句、ブルーに白い水玉模様とグリーンに白のストライプの馬のぬいぐるみ、そしてややこぶりの馬のマスコット2つ、計4個を460Bでお買い上げ。もうとっくに大人になったというのにこのチョイス。少々ヤバいかしら? と思わなくもないのですが、女子は永遠に女子なのです。どうかご勘弁ください。
黒タイ族のコスプレ、タイダム・ヴィレッジ。
November 23[Tue], 2010 10:00黒タイ族の村、タイダム・ヴィレッジへやってきました。1905年に現在のベトナムから移住してきた彼ら。独自の言葉をもち、精霊を崇拝するなど、いまでも当時の慣習を守って暮らしているそうです。なるほど、家々の表札はタイ語に英語、黒タイ語?の3種類で書かれています。
木造高床式の住宅は最近では持上げた足の部分に増築して2階建てとすることも多く、たくさんある窓のうち閉まっているところは彼らの先祖が住む部屋、なんだとか。街並みを見学しつつ、村の中心にあるタイダムカルチャーセンターに行くことに。敷地内には彼らの伝統的な住居が再現され、機織り機や生活用品などの貴重な資料が展示されています。
黒タイ族の名前の由来にもなっている黒い織物は現在でこそケミカルな染料を用いていますが、かつてはマクルアーという木の実で染めたもの。シルクなら1.8mを3日間、コットンなら半日ほどで織りあげ、1週間程かけて丁寧な刺繍を施すのだそうです。
黒タイ族のおばちゃまが是非、とすすめてくれたので彼らの民族衣装チャットヤーオを着てみることに。すっぽりかぶれるワンピーススタイルの黒いボディには赤と白でライン状の刺繍が施されています。頭に黒い織物、パークルンポムをまけばタイダムスタイルの完成! 後ろ姿は立派に黒タイ族の娘じゃないですか? ちょっぴりコスプレに興奮しつつ、織り機に座ってポーズをとったりなんかして。ゆったりとしたシルエットではありますが、シンプルなデザインでとっても素敵。思わずお持ち帰りしそうになりましたがちょっぴり値がはるので悩んだ末、おばちゃまにお礼を行ってストール100Bを2枚、お買い上げ。その他にもパークルンポム300Bとランチョンマット50Bをお土産にすることにしましたよ。きれいな刺繍がついていてタペストリーとしても使えそう。
ディープなイサーン料理って? ラープ・ルンソー・アーハンイサーン。
November 23[Tue], 2010 12:13ディープなイサーン料理を食べに行こう、とエークさんが案内してくれたのはラープ・ルンソー・アーハンイサーン。町の食堂みたいなとこですが、本当においしいイサーンの家庭料理を食べさせてくれるのだとか。これまでも相当数のイサーン料理を味わったと思うのですが、それを上回るディープって? エークさんが食べたくてたまらないというお料理の数々、選んでもらいましたよ。
まずは定番ラープ・ミヤウヌア(牛のラープ)。こちらは牛のモツ(センマイ)を魚の塩辛・パラーで味つけしています。そしてリンヤーン(牛タン焼き)、ゴイ(牛刺し)50B。ゴイは一見ラープのようですが、牛刺しやセンマイをミントやネギなどの香味野菜とともに牛の胃液(!)で和えたもの。聞いた感じはかなりインパクトがありますが、苦みはほんのわずかでユッケの薬味たっぷりバージョンといったお味です。ソムタムラオ(ラオスタイルのソムタム)はラープと同じくパラーで味つけしたもの、ゲーンオムヌアはたっぷり入った牛モツとレバーのスープでとっても身体に良さそう。そして最後にウ。コブみかんの葉とレモングラスで肉を和えたもの。柔らかいお肉にコブみかんのほんのりとした苦みが効いています。
「日本人でこんなにハードなイサーン料理を楽しめる人は少ないよ」とエークさん。みんなお料理の内容を聞いて尻込みしちゃうのだとか。確かにちょっぴり怖そうですが、それはエークさんの表現の問題かも。現地の人たちが好きなものはどれもきっとおいしいに決まってますよね。ふう、お腹いっぱい。
ワット・ターケークで偉業にふれる。
November 23[Tue], 2010 13:40食堂を出て車にゆられること約10分。チェンカーン市街から約2km東のメコン沿いにあるワット・ターケークにやってきました。こちらは仏歴2209年、西暦1666年に創立されたお寺。なんでも徳の高い僧侶が人々のお布施を学校建設のためにと差し出し、自らの悲願であった本堂建設はついに実現することがなかったのだとか。現在、礼拝堂はコンクリートで建設され、木戸や軒裏まで繊細なレリーフに彩られています。その背後の森の中にひっそりと眠る遺構。約30m四方に及ぶ、建設途中だった本堂の基壇であることが最近になって解明されたのだとか。実現こそ叶いませんでしたが、後世まで伝えられることになった偉業。本当の徳ってこういうことをさすのでしょうね。
うさぎがぴょこぴょこ、プー・クワャーイグン(水牛寺)。
November 23[Tue], 2010 14:18ワット・ターケーから山道を登ること約15分。プー・クワャーイグン(水牛寺)にやってきました。昨日ケン・クックーの船の上から見えた巨大仏像のあるお寺です。言い伝えにもある通り、寺の境内からはメコン流域がよく見渡せます。ここから石を投げて仕返しをしようなんて、えらい物騒ですけど……。訪れた時は本堂の建設途中で、巨大な仏足石だけが残されていました。水牛寺の名の通り、水牛をかたどった像が祀られていましたよ。境内にはなぜかウサギさんがぴょこぴょこしてましたけれど。
マッサージでムニャムニャ。
November 23[Tue], 2010 15:30チェンカーンに戻ってきました。宿を再びザ・オールドチェンカーン・ブティックホテルに戻して一息いれます。今日は2階のメコン沿いのお部屋。朝の真っ白な霧の風景とは一変して、メコン上空にはとびきり蒼い空が拡がっています。バルコニーにはチーク材のデッキチェアが置かれていていい感じ。確かに、このお部屋で水面を流れるクラトンの灯りや満月の空に昇るコームロイの光を眺められたらロマンチックなことこの上なし! です。どなたがそんな夜を独り占めしたのでしょうね?
とまぁそんな妄想を抱きつつ、夕食まで少し時間があるのでチェンカーンのマッサージ事情の調査を、というわけでお向かいのマッサージ屋さん、ワット・ターコック・マッサージへ。今回はタイ古式マッサージ1.5時間をお願いしました。恐がりなものでいつもはオイルマッサージをお願いしているのですが、今回は久しぶりのタイ古式マッサージ。どうかな……とおそるおそる身を任ると……
気持ち良すぎて寝てました。おばちゃまの分厚い手のひらがいい塩梅でツボにくいこみ、とろとろとあっという間に夢の世界に旅立ってしまいました。やっぱり古式マッサージは若いお姉さんよりもゴッド(マザーズ)ハンドが一番ですね!
ラオスの古都の料理です。ルアン・ルアンパバーン。
November 23[Tue], 2010 17:55マッサージですっきりしたところで、夕暮れ時の街をぶらぶら歩いてディナーに向います。見上げれば薄暮の空を横切る電線、軒先に灯る裸電球の灯り、行き交う自転車、道路際に並べられた植木鉢、戸口の椅子に座って談笑する人たち……タイ語の看板さえなければ50年ほど前の日本、映画「3丁目の夕陽」的な光景ではないでしょうか。ほんの一瞬、なんだかとっても懐かしい感覚でした。や、わたくし50代ではありませんけれども。
そうして辿り着いたのは「ルアンパバーンの家」という名のお店。ラオスの伝統的なルアンパバーン様式のお料理と中国のハイラム(海南島)地方の料理を出すお店だそうですよ。80年ほど前にラオスから移り住んだ先代が郷土料理を出したのが始まりなのだとか。店内約50席のほかにメコン沿いのテラスに約50席あるので夕暮れ時の早い時間がおすすめ。というわけで今日もテラス席はほぼ満席、みなさんゆっくりと夕陽にそまるメコンを堪能したご様子です。もう陽も落ちてテラス席ではお料理の写真も撮れないので私たちは店内へ。こちらは2階でゲストハウスも営業しているそうですよ。
ルアンパバーン料理、といわれてもどんなものだかさっぱり見当がつかないので、またしてもエークさんチョイスで注文しました。サライトードマン(海苔の唐揚げ)はメコンでとれた海苔を揚げたもの。あつあつをパリパリ頬張ると胡麻がとっても香ばしいです。オッラムスキュービーフ(牛皮とキクラゲの辛いスープ)は梨・キノコ・パクチーラオ・バジル・牛肉そしてなんと牛の皮! がサイコロ状にごろごろ入っていて見た目はちょっぴり怖そう、なんですがキクラゲの食感と相まって後をひくおいしさ。ただしとても辛いので「ペッ・ニンノイ(辛さを控えめに)」をお忘れなく。スープというよりもイサーン風カレーといったところです。昔はこれらにサッカーンというルアンパバーンの漢方薬を混ぜ、竹筒の中にいれて熱していたそうですよ。
ナンプリック・ルアンプラバーン・ムートード(豚の唐揚げ塩辛添え)は魚の塩辛を唐揚げにかけると味が変わってびっくり。家でも試してみたくなりました。サユーク(豚のソーセージ)はカレー味噌風味にハーブがたっぷり入ってとってもスパイシー。ソーセージですがそんなに油っぽくなくてビールにぴったりです。ロンッ・ルアンプラバーン(豚のカレー炒め野菜添え)はカレーソースを野菜にかけていただくもの。野菜そのものの味がよく分かります。パットウンセン・ルアンプラバーン(春雨の炒めもの)はレタスに巻いて。こうしてみるとルアンプラバーン料理は野菜をたっぷり食べられるヘルシーなものが多いですね。今日もたっぷり食べて飲んで大満足。少しぶらぶらと夕涼みをしながら、お宿に戻ることにします。
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