Thailand
Globetrotter

テクテクタイランド

Ayutthaya / Chiang Mai

March 20[Fri], 2009

寝台列車の朝の風景。

Mar 20[Fri],2009 6:13

ざわざわっとした気配で目が覚めました。どうやら朝、しかも6時すぎ。早いですな。普段8:30起床の私としては。でも、考えてみると、夕べ、結局横になったらすぐ寝ちゃったので、8時間睡眠。わりによく寝ました。

身支度を整えてると、タカラジェンヌみたいな雰囲気の車掌さんが入ってきました。上下で起きたところから、ベッドをたたみます。片づけるとボックス型のシートになるんですね。ひとつベッドをやっつけるのに1分掛かるか掛からないかという無駄の無い動き。車内を行き交う売り子さんからホットコーヒーを買い、彼女の仕立ててくれたシートに座ります。ゆ、揺れますから気をつけて。

朝の列車で出会った人たち。

Mar 20[Fri],2009 8:00

電車は山岳地帯の森林を抜け、山間を走ります。田んぼやらバナナ畑やら小さな集落やらが車窓を流れ、朝日がだんだん眩しくなってきました。今日はお天気よさそうです。

そういえば、昨日ドアの開け方教えてくれた日本語の主、気になるなぁ。と突撃インタビュー。あのー、昨日ありがとうございました。「いえいえ」とちょっと照れて答えてくれたのは、末広洋祐さん。一度企業に就職したけど、いまは介護の仕事をしながら、九州の大学院で福祉の勉強をしていて、今回はタイの福祉事情を調査しているんだとか。末広さんによると、最近定年退職後にタイでロングスティをする日本人も多く、医療や住宅事情などさまざまな点で注目度が高いそうです。「タイは、もう何度か来てますけど、よく行く食堂の奥さんなんか、息子のように親切にしてくれます。家族関係や信仰のこともあって、日本より心のつながりが密だと感じます。懐かしい昔の日本に近い感じ」そうか、確かに知らない人でもすごく優しい笑顔に出会える確立高いしなぁ。研究がんばってくださいね。

チェンマイ到着。

Mar 20[Fri],2009 8:31

まもなく到着ですね。自分の席に戻って身支度していると、電車はわりとこぢんまりした駅のプラットフォームへゆっくり滑り込み、止まりました。おおここがチェンマイ。ここが終点なので、みなさん一斉に下車準備。ひとつ向こうのベッドから、4人の美女たちが。あなたたちはどこからなんですか? 「えーっと、いろいろなのよ、ブラジル、オーストラリア、オランダ、イギリス。私たちは、それぞれ自分の国でツアーに申し込んでやってきた初対面同士なのよ。こっちではトレッキングなんかもする予定なの」なるほど、でもみなさん初対面と思えないほど和気あいあい。いろんな国の人と出会えた鉄道の旅、楽しかったです。

プラットフォームへ降りると、遠くに山並みが見えます。どれも1000m級の山らしく、タイ北部ではトレッキングツアーも人気のようです。でかいリュックを背負ったバックパッカーらしい人々が、何人も歩いていきました。

ここチェンマイは、13世紀から18世紀にかけて北の王国「ランナー王朝」の都があったところ。街には100を越える寺院があって、まさに「タイの京都」。駅を出ると、多少待ちくたびれた表情のガイドのエックさんが、それでも笑顔で迎えてくれました(予定では7:21着でしたからね……)。チェンマイ在住10年の彼。チェンマイならどこだって(歴史遺産から怪しいお店まで)案内できると豪語しています。さてどこから?と聞かれましたのでもちろん「朝ごはん」と即答。少々苦笑いされましたが、さっそくワゴンに乗り込んでゴー。

チェンマイの老舗食堂で朝食を。

Mar 20[Fri],2009 9:10

エックさんおすすめの老舗食堂ラムドゥアンに到着。カレー風味のラーメン、カオ・ソーイが有名で、一日に500杯は軽く売り上げるという人気のお店だそうです。このカオ・ソーイ、もともとはビルマから伝わったものらしいんですが、いまではすっかりチェンマイの名物料理に。まろやかなココナッツカレーのスープに茹でた小麦粉の卵麺[バミー]、そのうえにさらに揚げたバミーを載せるのが変わってますね。とてもおいしいです! スパイシーなチェンマイ・ソーセージに蒸したもち米を添えて、スープをしみこませて食べるのもチェンマイ風です。

チェンマイ最大のワローロット市場。

Mar 20[Fri],2009 10:16

ホテルへチェックインする前に、またまた市場。チェンマイ最大級の市場「ワローロット市場」へ。花屋が並ぶ入り口を入ると、あるわあるわ、野菜、乾物、魚、アクセサリー、下着にお菓子にサンダルにへちまのたわしと、ないものない状態ですよ、きっと。そして奥へ進むとそこは3フロア吹き抜けの大空間。動いてないエスカレーターを自分で昇って見下ろすと、視界に入ってくる何千(何万?)という商品たちに圧倒されました。

「ここの品ぞろえは充実してるので、数10キロ離れた街からも買い物客が来るんです」と言う説明にへーと振り返ると、エックさん、お供えの花飾りを売っている若いおねーさんにせっせとカメラを向けています。「チェンマイは美人が多いので、手が勝手に」だそうですよ。そうですか。

そろそろホテルへ。タッドカム・ヴィレッジ。

Mar 20[Fri],2009 11:29

市場から10分足らずで、今夜のホテル、タッドカム・ヴィレッジに到着。最近流行のブティック・ホテルです。ちょっと昔のタイの家屋のイメージを取り入れたような雰囲気がなかなかいいです。中庭もあってお部屋も清潔な感じ。いいですね! 荷物を置いて、一息ついたら、とりあえずアユタヤからの流れもあるんでチェンマイのお寺巡りでもしようかと。

チェンマイの初代王が開いたお寺、ワット・ウモーン。

Mar 20[Fri],2009 12:20

最初のお寺はですね、ここからチェンマイ旧市街の西、チェンマイ大学の南側の山手にあるワット・ウモーン、です。うっそうと茂った木々。セミの鳴き声が頭上から土砂降りの勢いで降り注ぎます。もともとチェンマイに都をつくったランナー王朝初代メンラーイ王が11か所の竹林を寄進し、スリランカから僧を呼んで建てたお寺だそうです。で、その後の王がさらにトンネルを掘って仏像を安置したので「ウモーン(トンネル)」の寺と呼ばれるようになったそうです。人里はなれ、僧たちが瞑想の修行をする寺として知られているとか。

確かにこの俗世界から離れたような空間、しっかり瞑想できそう。市街地からは近いんですけどね。トンネルの中は、場所によってはちょっと腰をかがめながら。暗いけどひんやり。突き当りには、仏様がいてお供え物が置いてあります。一部の壁にはかすかに花の模様が残っているところから、つくられたころは本当にあでやかな花の回廊だったことが想像できます。

トンネルから出て山を降りて行くと、目の前を山吹色の袈裟に身を包んだ僧侶たちが歩いていきました。ここで修行をしているんですね。それにしても、ワンコがやたら多いです。

チェンマイ大学でタイのコンテンポラリー・アートに触れてみる。

Mar 20[Fri],2009 13:38

陽射しが強くなったので、すぐ近くにあるタイ国立チェンマイ大学の敷地内にあるアートセンターへ避暑。最近はアジアのアーティストが、世界でも注目されてますからねー。日本でも、タイのアーティストの展覧会があったし。楽しみです!

門を入ると、庭にはいきなり鉄の女性像。ドレスをなびかせ歩いている一瞬を捉えてるんですかね。よく見ると、5円玉みたいな鉄片を繋いで形づくられています。あとこれまたでかい鉄のカニとかもいましたよ。中で行われていた展覧会では、立体を平面にうつす遠近法をもういちど立体に再構成したオブジェ、天井から吊り下げられた白い繭、「1」と白抜きした黒いパネルを並べたものなどなど、発想がおもしろかったです。個人的には“Hip-Hop Fashion“っていうのが好きでした。「ウィェーイ」な兄ちゃんがいい感じです。タイの若者も、好きなんですね、こういうの。親しみ沸きます。

このアートセンターには、ギャラリーショップも併設。ポストカードや、カップ、Tシャツなどがそろってます。私は、タイの花をモノクロでプリントしたエコバックを買いました。なかなかシックなできで、イケてます。

昇進の記念に建てられたお寺、ワット・ムーンギュンコン。

Mar 20[Fri],2009 14:20

次にやってまいりましたのは、ワット・ムーンギュンコン。こぢんまりしてますがチェンマイ市内でもっともきれいな9つの寺院のひとつとされています。木造のランナー様式の本堂の周りには、木彫りの天使たちが並んでいてちょっと珍しいですね。エックさんによると、このお寺は、500年前、メタンという財務担当の役人が「ムーンギュンコン」という官職を王から授けられ、その記念に建立したものだとか。庶民が城壁の中に建立した初めてのお寺として、縁起がいいといまも地元の人に大事にされているそうです。アユタヤの寺院は多くが破壊されてましたけど、チェンマイのは、きれいなかたちで残されているんですよね。

チェンマイをつくった王さまが建立したお寺。ワット・プラチャオメンラーイ。

Mar 20[Fri],2009 14:49

お次もこじんまりしたワット・プラチャオメンラーイ。お寺の入り口では、中年のご夫婦がお坊さんにお祈りをしてもらっているようです。何かお願いごとしてるのかなぁ。このお寺には、チェンマイができてから初めてつくられた仏像が安置されています。金ピカでほっそりした面長の仏様が、すーっとまっすぐ立っています。これは、スコータイ様式らしいですね。

「こっちへ来て、冷たいお水でもどうですか」と、声を掛けてくださったのは、さっきのお坊さん。プラ・ピーワッさんという名で、13歳で出家しずっと僧として37年間修行を積んでこられたとのこと。いまは住職として、6人の僧侶と12人の小僧さんとともにこの寺を守っているんだそうです。なんとも穏やかな優しい声をされてました。

見上げんばかりのピラミッドみたいな塔。ワット・チェディルアン。

Mar 20[Fri],2009 15:32

今度は、チェンマイの由緒正しきお寺(いや、ぜんぶ由緒正しいんですが)で、王様の骨が治められているワット・チェディルアン。とにかくパゴダが巨大です。高さ60mある仏塔(創建当時は80mを超えたとか)を誇るこの寺の名前は「大きいパゴダ」の意味。もともとは全面金箔で覆われていたので、街のどこにいてもこの塔が輝いて見えたらしいです。日中はもちろん、満月の夜は、ものすごくキレイだったと伝えられています。タイのピラミッドといった感じですかね。四隅を象が守り、階段は蛇(ナーク)が守っています。

本堂もまたでかいです。訪ねたときは、ちょうど天井の金箔を、はりかえているとこでした。「ほら」と渡されたのは、床に落ちていたほんの三センチ四方の小さな紙切れ。ちょびっと金箔が残っています。ということは、この大きさの金をひとつひとつ貼り付けているんですか。この広い天井に。はらりはらり、紙が降ってきます。

自家製魚丸クイッティアオ食堂、サアート。

Mar 20[Fri],2009 16:08

えーと、お腹が空きました。ということで「こういう半端な時間には、やっぱり麺でしょ」エックさんイチ押しのクイッティアオ屋さん・サアートへ。ここの名物は、中華味噌でピンク色のスープと手づくりルークチン(魚のつみれ団子)入りのクイッティアオ「エンタフォー」。じゃ、それでいっときましょう。

待つこと5分。食べること10分。うんおいしい! おなかがすいてるので、この店のもうひとつのお勧め、かき氷の「ナーム・ケン・サイ」も頂いときます。ちなみにクイッティアオは1杯30バーツ、かき氷は25バーツ。両方食べても150円とたいへんお安くなっておりますですよ。

壁画が語るもの、ワット・プラシン。

Mar 20[Fri],2009 16:53

さて、本日最後のお寺はワット・プラシン。チェンマイでもっとも格式があるといわれているこの寺院は、1345年にランナー王朝5代目のパーユー王が父の遺骨を埋葬するために建立されたと言われています。屋根につけられた飾りが、空を突き刺すようですね。この屋根の形は、ランナー王国独特のスタイルなんだとか。このお寺には約700年前につくられた金の仏像がある、ということで礼拝堂の奥に案内されました。おおこれはほんとうに眩しいほどの金の仏さま。「これは80%純金。壁も金の装飾を施しているので、ほとんど灯りをつけなくても、お堂の中明るいです」とエックさん。いやー、ほんとに。秀吉の金の茶室もびっくりですよ。

お堀に沿って旧市街をぐるっと。

Mar 20[Fri],2009 17:40

さて、ランナー王国の都チェンマイは、いまの旧市街地を中心に発展しました。この旧市街地、現在もお堀に四角く囲まれ、またそのお堀沿いにところどころ残る城壁跡で明確にわかります。ということでお堀のまわりを一周してみることに。

まずは、チェンマイのランドマークにもなっている東のターペー門から。ここはチェンマイの入り口として使われていました。現在は広場が整備されていて、ここに特設ステージが組まれイベントが行われることも多いそうです。サンデー・マーケットの会場にもなってますね。まわりは商店街やホテルも多いし、人と車が絶えないみたいです。こぢんまりとしていて、方向音痴の私でも道がすぐ覚えられそうです。

レトロな洋館を利用したギャラリー&レストラン、COMEDARA。

Mar 20[Fri],2009 19:32

すっかり、先ほどの麺も消化され、程よく空腹。途中なんだか白いチェディが真ん中にどん!と鎮座したロータリーなんかを発見したので写真を撮りつつも、速やかに夕食の会場へと向かいます。

本日夕食をいただくのは、真っ白な洋館がすてきな“COMEDARA”というレストラン。右手はギャラリーになっていて、部屋ごとにいろんな作家さんの作品が並んでます。2階の張り出したサロンがいい感じでした。こんな窓辺で本を読むとか、憧れます。もちろんお腹を充たしてからのお話ですが。

ということで建物を一旦出て、行灯に照らされた道を奥へ入ると、ピン川に面したオープンテラスのレストランになってました。おーなんだか、ちょっとロマンチック。

いただいたお料理は北部の伝統食材の前菜から始まりまして、塩漬け卵のサラダ、黒胡椒風味のローストチキン、川エビのカレーなどなど。あー、こんなに食べて幸せ。大丈夫ですよね、こんなに食べても。いっぱい動いてるし、暑かったし、タイ料理基本的にヘルシーだし。たぶんきっと。

チェンマイ名物ナイトバザールへ。

Mar 20[Fri],2009 21:19

さて、食後の夜のお散歩は、なんと言ってもナイトバザール。チャンクラン通りでは、毎夜毎夜11時過ぎまで、700mの通りを700件余りの夜店がずらりと並びます。以前来た時も、一番楽しかった思い出はここでの買い物でした。ということで再びのバザール。中央の広場では民族舞踊やってたりコンサートやってたり。疲れたと思ったら、食べ物や飲み物も屋台で買えるし。とにかく賑やかで楽しいです。