本日はタイ料理のお教室です、Blue Elephant。
August 10[Mon], 2009 07:47おはようございます眠いです。予約した料理教室は9時スタートということで、7時に起床し大急ぎで身支度、渋滞に巻き込まれたらヤバいと車かっ飛ばしてBTSのスラサック駅にほど近いBlue Elephantにやってまいりましたところ、えーと、まったく引っかからずに早く着きすぎてしまいました……急いで来たのに、スタッフとお掃除のお姉さんしかいません。
えー、このBlue Elephant、古い洋館がレストラン兼料理教室になってます。あちこちインテリアがしゃれてて素敵なのと、英語で料理の指導をしてもらえるのがありがたいですね。なんてヒマなので解説をしたりしていると、なんだか明るい笑顔のお兄さんが階段登ってきました。どうやら同じく料理教室の生徒さんみたいで、お互い自己紹介。彼は、フィリピンのタイ料理レストランで働く料理人のワナナンさん。この料理教室に1週間通って、タイ料理の基礎を学ぶらしいです。え……プロと一緒のお教室? わたし大丈夫か。と精神的に後ずさりしていると、まあここかしらーと金髪マダム軍団がドヤドヤ。バンコク在住ドイツ人のおばさまご一行です。ああわかりました。オーケーです。他にも料理が趣味というクールなオーストラリア人男性、キャピキャピな香港女性など計11名。
そこへ、ハイみなさんおそろいですかーとにこやかに登場したのは市場での授業を担当してくれるシャオ先生。「ハイまずは材料を買いに市場にいきますよー」どうやら本日は4品のタイ料理をつくると。で、その前に食材調達に市場に行くとのことです。「おいしい料理は食材選びからですからね」とにこやかな先生は、フランス留学経験もある料理人なのだとか。まあそんなこんなでBTSのスラサック駅に向かいます。
食材の選び方を学びます。バンラック市場。
August 10[Mon], 2009 09:28BTSをひと駅乗って、サパーン・タークシン駅に到着。「ハイ、こちらでーす」と案内してくれるシャオ先生のあとについて到着しましたバンラック市場。入り口の果物屋で果物のマンゴスチン、そしてマンゴーにタマリンドなどを試食です。「アリがついてるのが甘いのよ」と、果物の選び方を説明。
次に来たのが、魚介売り場。「魚は目をみてください、目玉が透き通っているものが新鮮です」「エビは頭と体がきちっとついてるもの、あと、ちょっと押してみて弾力のあるものが新鮮です」肉と魚介類は、11時で販売終了。なぜならそれ以降は、気温が上がるので、鮮度のキープが難しいから。いい食材は早いうちにというのも、おいしいさのコツだそうです。
その後も市場のなかを「みなさーん、こちらはお米、こちらは、お豆腐」といった感じでさくさく探訪。そろそろ暑くて汗タラタラになってきたし、疲れたなぁと思ったのがばれたのか? というくらいの絶妙なタイミングで「じゃ、ここでタイスタイルでお茶しましょう」ということに。ドリップした濃い目のコーヒーと練乳と氷ががっさり入ったビニール袋に、ストローをさして口に輪ゴムを巻いたらできあがりです。あまくてつめたい!
いよいよトムヤムクンの調理実習。がんばります。
August 10[Mon], 2009 10:43さて、再び教室に戻ってきました。ひとりずつレシピと真っ白なエプロンが配られます。いよいよですね。楽しみですが、少々緊張……とそこへ、先生が入ってきました。サンドラ先生は、この学校の創設者の娘さん。朗らかで優しそうな方です。「今日は、タイのポピュラーな料理を4品つくります。ここで私がまずつくり方をお見せして、それから隣の実習室で各自つくっていただきますね」順番は、チキンのレッドカレー、牛肉の野菜炒め、トムヤムクン、そして最後はパッタイ(タイ風焼きそば)となっております。
最初のふたつをなんとか乗り切り、いよいよメインイベント、トムヤムクンをつくる番がやってまいりました。サンドラ先生曰く「トムヤムクンは、もともとアユタヤ王朝時代に、フランスからやってきた使節団をもてなすために考えられたんですよ」アユタヤ近郊ではおいしいエビが採れる、これでタイのブイヤベースをつくったらどうかというのがトムヤムクン誕生になったという説でした。「どの料理にも物語があるんですよ」とサンドラ先生。さて、つくり方の説明を聞きつつ思い出すのは、今回タイに来ていろいろなレストランで聞いた「ひと手間がおいしさの秘訣よ」とか「丁寧に手順を守って」といったお言葉。トムヤムクンは、タイではいまや日本の味噌汁かと思えるほど、宮廷から大衆にまで愛されるポピュラーな料理。おいしいからこそ、みなさん大事に料理し伝わっていったんですね。いまさら納得。
教室から調理室へ移動。先生の手順を思い出しながら、まずスープストックを鍋に入れて火にかけ、こぶみかんの葉やレモングラスなど香りの元になるハーブを入れます。えーとそれからなんだっけ?と手元が止まると、すかさずスタッフの人が「はいフクロダケを切って、プリッキーヌもちょっと叩いてつぶしておきましょう」あ、そうそうそうでした。で、他の材料を投入、煮上がってきたら、クン(エビ)を入れると。
味はナンプラーやチリペーストで調整をします。辛さがもう少しほしいな……チリペーストをさらに加えてと。あら? まだもの足りない。もう少し……結局用意されていたのを全部入れちゃいましたが、大丈夫でしょうか。でも鍋から漂う香りと色は、立派に「トムヤムクン」。世界三大スープのひとつをつくっちゃったわけですね。ちょっと感激です。
いざ、試食!
August 10[Mon], 2009 13:25教室が始まって約3時間、4品目のパッタイがやっと完成です。つくった料理は先生たちが判定し、最後に受講修了証をもらいます。こういうのって、短大の卒業証書以来。うれしいな、先生と記念撮影もしとこうっと。そしてその後、自分たちのつくった4品を1階のレストランで食します。こうやって、テーブルに並ぶと、なかなか様になってますね。上等上等!
カレーはなかなかマイルド。牛肉の炒め物はあっさりしてておいしいです。パッタイもなかなか。そして、わたしのつくったトムヤムクン! ひとくちすすると、おお口のなかに広がる酸味とハーブの香り、そしてワンテンポ遅れて押し寄せるあの辛さ! おいしいじゃないですか、えーもしかして、わたしって天才じゃないでしょうか!
どうでしたか、ぜひ日本でもつくってくださいね、とサンドラ先生が声を掛けてくださいました。そうですよね。せっかく手順も教えてもらったし。ぜひ! なんだかできそうな気がします。そして恥ずかしながら、ま、トムヤムクンということで、自己採点を。
辛さ指数 | 4 |
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酸味指数 | 4 |
コク指数 | 4 |
総合評価 | ★★★★☆ |
考えてみれば、材料も調味料もすべて準備済みで、教えてもらった通りにつくっただけなんですけど、それでもですね、自分好みの味になっているというか、なんか、いい感じなんですよ、ほんとうに。
サイアムパラゴンのフードコートでデザートなど。
August 10[Mon], 2009 14:52いやー、おいしかったですけど、なんとも忙しかった調理実習。ちょっと休憩したい! ということで、バンコクNo.1といわれる大型ショッピングモール、サイアムパラゴンへ。その1階には広々としたフードコートがあります。タイ料理はもちろん、和食やイタリアン、ケーキにカフェやバーなど様々なお店が並んでいて、かなり目移りしますが、とりあえずロティーははずせないので。ロティーというのはイスラム風のクレープで、小麦粉の生地を1枚ずつ鉄板で焼いて、練乳やチョコなどお好みのソースを塗ってもらい、くるくるっと紙で巻いてかぶりつくというもの。さくさくもっちりした生地と甘い練乳(私はこれがお気に入りです)が、疲れを吹っ飛ばしてくれます。それからアイスクリームも! 濃厚なコクと味わい。あーやっぱり一日一回必要ですよ、スウィーツは。
甘いものですっかり元気も戻って、さあ次の目的地と歩き始めると、カフェにどっかで見た女性が。どこで見たのかなあと思っていると、その女性も「あっ」という顔。ああサンドラ先生! かっこが私服だったからわかりませんでしたよ! 先生も私たちに教えた後、子供さんとご主人と3人でお食事だった模様。お互い笑顔で、この偶然を喜びました。ちなみに先生たちのお食事はイタリアンでした。
トムヤムクンの材料を求めて、Big Cへ。
August 10[Mon], 2009 16:08復活したところで、サイアムパラゴンの東、ラチャダムリ通りをすこし北上したところにある、大型スーパーマーケットBig Cへやって参りました。きょうはせっかくトムヤムクンその他タイ料理を習ったので材料を日本に買って帰ろうと思います! エビとかコリアンダーとかは日本にありますけど、味つけに必要なスパイスとかペーストとかは手に入りにくいですからね。まあ他にもお土産なんぞを。トムヤムクン味のラーメンとか。なかなかいけるんですよ。
さて食品売り場。整然とはしていますけど、全ての食品が山盛りです。日本みたいにたくさんの種類の商品がすこしずつあるわけじゃなくて、いくつかの決まった銘柄が大量においてある感じ。お、あったあった。トムヤムクン味のカップ麺。乾麺も春雨だの米粉の麺だの小麦の麺だの何でもありますね。パッタイの麺は……この幅のやつにしましょう。で、次はナンプラーコーナー。どれがいいか見当つかないので、パッケージで選びました。元気のない鯉の滝登りみたいなやつ。
さて、その次はペーストコーナー。レッドカレーにグリーカレー、トムヤムクンなど、こちらも種類豊富。どれがいいのかさっぱり分からず。迷うけど、なんとなく色がよさそうなのにしてみました。説明書はタイ語ですが、イラストなどから察するに、沸騰したお湯に、材料をいれたらできあがりっぽいです。まずは、これを試しに買って帰ります。えーっと、ナンプラー15バーツ、トムヤムクンペースト14.5バーツ、トムヤムクンスープのキューブ18バーツでした。
さて、買い物も終わったし、ちょっとマッサージでほぐします。だって料理教室の調理台は西洋人サイズなのかやたら高くて、ずっと足ぷるぷるのバレリーナ立ちをしてましたからね。あー極楽。
エラワン廟で願いごと。
August 10[Mon], 2009 18:10移動の時、道向こうに人だかりができていたので地図で確認すると「エラワン廟」って書いてました。おお昨日お見かけした、あのゾウの像のことですよね。ということでやって参りましたが、平日にかかわらずほんとに大勢の人。中央には黄金に輝く……あれ、エラワンさんは?
どうやらここが「エラワン廟」と呼ばれているのは、ここが「エラワンホテル」の敷地内だからだそうです。お祀りされているのはブラフマー神(ヒンドゥー教三大神のひとつ、日本でいう梵天さま)で、「エラワン」という呼び名は関係がないと。えー。
とはいえここは、人々の願い事をかなえてくれるということで大変評判のところなんだとか。通りがかっただけっぽい若い女性なんかも、ちょちょっと手を合わせていきます。もちろん、本格的に線香をもってお祈りをする人たちもいます。奥のほうでは、大人4人がかりででっかい金の象を運んでいる人たちが。関係者らしいおばさんの話によると、中古車がいい値段で売れるようにとひと月くらい前にお願いごとをしてたら、それが見事にいい値段で売れたからお礼に来たとのことでした……わりとお気軽な内容でお願いごとするんですね。おもしろい。ちなみにこのおばさんは、わざわざサムットプラカーン県から来たそうです。あれ? それって昨日の海辺の街じゃないですか。わざわざこんなとこまで……ご利益あるんですね。私もさっそく、お願いごとしないと。
あのコイズミさんも来た! ソムブーンでトムヤムクンを。
August 10[Mon], 2009 19:00さて、今夜乗る日本行の飛行機まで、もう少し時間がありますので、最後のトムヤムクンを食べようと、エラワン廟から南西に車で10分ほど、シーロム通りの一本北側のスラウォン通りにあるレストラン、ソムブーンにやってきました。もともとは氷屋さんだったそうですが、チュラロンコーン大学の裏でプーパッポンカリー(ワタリガニのカレーいため)のお店を始めたところ、口コミで広まって2号店3号店を出し、いまやバンコク屈指のシーフード料理人気店です。小泉純一郎元首相や宮様もご来店されております。
今回の旅の締めは、ここの名物のプーパッポンカリーともちろんトムヤムクンを注文。まずはカリー。フワッフワのトロットロ。カレーの香辛料的辛味が、たっぷり入っているカニの甘みが絡まりまして、なんとも言えず・・・つい、食べるの夢中で無口になります。そんなところへ、トムヤムクン登場!さっそくひとくち……うーんオイシイ! いやー、ズンとくる辛味、しゅわーっとした酸味、プリプリのエビ、口の中で広がるうま味、絶妙のバランス! このおいしさの秘訣なんですか?「それはですね」とフロア係のお兄さんが言うには「いい川エビを使うこと。いい川エビはミソがいっぱい入っていて、いいだしが出ます。そうすると臭み消しのガランガやコクを出すココナツミルクも必要ないんですよ」なんですって。ほんとに、奥深い味です。
さらに空心菜炒め、フィッシュボールのフライ、マンゴープリン、満足満腹ほんまに幸福!
辛さ指数 | 5 |
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酸味指数 | 5 |
コク指数 | 5 |
総合評価 | ★★★★☆ |
トムヤムクンは美味しい。改めてですが、「美味しい」というのは、いろんな要素の最高のバランスの黄金比……それが、トムヤムクンにはあるのです。世界三大スープと言われるわけに近づいた気がします。
おまけ:我が家でつくったトムヤムクン。
in Japan「おいしかったー」という言葉をこの3日間でいったい何回口にしたでしょうか。でもね。どのお店のトムヤムクンも「おいしい」ということばがふさわしかったです。いろいろなうまみを凝縮し、素材をいかし、食べた人を虜にする。これぞタイ。3日間、ご馳走さまでした!
トムヤムクンを巡る旅から帰国してはや5日。旅の写真を整理していたら、トムヤムクンが無性に食べたくなったので、材料を買いに走りました。エビとコリアンダーを入手、フクロダケはなかったので、生シイタケで代用することにします(火を通したときのあのつるんとした食感は、生シイタケが一番近いように思いましたので)。そして頼りは買って帰ったトムヤムクンペースト。封を切るとふわーんと、あの香りです。ああたまらん。さっそく料理します。
まずは、下ごしらえ! エビは背ワタをとって下ゆで。コリアンダーは、根の部分をよーく洗って、ちょっと叩いておくと。シイタケはイメージフクロダケの大きさにカット。ではさっそく調理に入りましょう。
鍋で480ccの水を沸かす→さらにペースト投入。で、鍋の中でよく溶かす→エビ、シイタケ投入→火が通ったらコリアンダー、仕上げにナンプラーとライムジュースで好みの味に調えると。あ、ライム買うの忘れた! でもご安心ください。冷蔵庫の中に転がっていたカボスをギュッと絞っときました(レモンでもいいらしいです)。調理時間わずか15分。さっそく、いただきます! ……うん、まぁ、酸味、辛味もまずまずなんですけど、何かが足りない。何かが……本場の味わいには道のり遠そうです。あ。エビの頭とかでだしとる行程が……ぬけていました。究極への遠し(がっかり)これも一応、自己採点しときます。
辛さ指数 | 3 |
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酸味指数 | 3 |
コク指数 | 2 |
総合評価 | ★★☆☆☆ |
酸味も辛味もまぁまぁです。でも、なんか物足りないのはコクかなぁ。エビの頭でちゃんとスープをとったり、レモングラスを加えたりして、ペーストをもう少し強化するとさらにおいしくなると思いました。まだペースト残ってるのでまたチャレンジしてみます!
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