早朝ムエタイトレーニング1:ランニングからスタート!
Jun 01[Tue], 2010 06:10夜があけて陽がのぼり、虫や鳥たちの鳴き声で目覚めるムエタイ挑戦の朝。おはようございます。歯を磨いたり顔を洗ったりという一連の儀式を終えてリングへ向かうと、7歳の時からムエタイを始めてトレーナー歴8年、ボクシングの試合で9回の来日経験もあるというコーチのナーさん(昨夜会った方とは違います)が、サワッディーカップ、と笑顔で声を掛けてくれました。が、すぐに強い声で「敷地内をランニング!」みたいなことをたぶん言われた(タイ語で)ので、ひたすら敷地内を往復ジョギング。起き抜けはきついです……
早朝ムエタイトレーニング2:縄跳び&ストレッチ。
Jun 01[Tue], 2010 06:30昨夜は暗くて何も見えませんでしたが、ジムの敷地はけっこう広いです。あたりはどうも果樹園が多そうですね。バンコクだけどもう雰囲気は完全にタイの田舎で、トレーニング環境としてはいいと思います。
30分ほどウィン(ランニング:タイ語です)した後は、グラドード・チュアック、つまり縄跳びです。足を引っ掛けながら20分ほど。めっちゃひさしぶりでしたが、結構きつかったです。この時点で摂取した水はすでに1リットルを超えました。気温もあがって、だんだんカラダも動くように。
するとさっきまでトレーニングに流す音楽を選曲していたナーさんが、ジェスチャーでリングに上がれと言ってきました。ついにこの神聖なるムエタイのリングに足を踏み入れる時が……! なのですが、とはいえまずそこで行われるのはストレッチです。15分ほどゆっくり時間を掛けて行います。
早朝ムエタイトレーニング3:シャドーボクシング。
Jun 01[Tue], 2010 07:30さあ、ついに本格的なトレーニングが始まります(今回は時間の関係でちょっと普通より駆け足に、かつひととおり教えてもらえるようお願いしています)。まずはパー・パン・ムー(バンテージ)を巻くところから。一本一本の指を確認しながら、拳のところには何度も布を束ねてより厚くになるよう、丁寧にゆっくりと巻いていきます。次は足にエングァンという、踵と指先の開いたソックスのようなサポーターを装着です。キックありですからね。
身支度が終わったところで、基本の構え(ベタ足にならないように!)やパンチの出し方、その時の身体の重心の移動の仕方など、フォームを身体に記憶させるようにレン・ロム(シャドーボクシング)をこれまたゆっくりと。だいたい15分くらい。
休憩して水を飲み、またリングの上に呼ばれ、そして今度こそヌアム(グローブ)をつけてのトレーニング。たぶん重さは8オンスくらいかと思います。これをつけると、ああやるんだなーって感じですね! 緊張です。コーチのミットにパンチとキックを、まずはきちんと当てるというトレーニングをしました。
顎を引いてグローブを構えると、ついつい前後左右へふらふら動いてしまいます。その時のコーチからの指導は、相手との距離を考えて、踏み込んでパンチを出すとどの辺りで相手に当たるかといったことをきちんと確認しながらやりなさいということでした。基本の基本みたいなことなんでしょうね。ここでぼくのように焦ってしまうといけません。トレーニングはまだ始まったばかり。
朝食です!
Jun 01[Tue], 2010 09:00こういったトレーニングを何セットかして、その度に水分補給をし、そしてまたランニングをというふうに繰り返していると、あっという間に時刻は9時。これで朝のトレーニングは終了。朝食です!
リング横の大きなテーブルには、目玉焼きにごはん、そして挽肉と野菜の炒め物に鶏の揚げたもの。シンプルですけどお腹がすいてますので、ジムの先輩になるふたりのファラン(欧米人)さんたちとともに、たいへんおいしくいただきました。食事を終えたら、午後のトレーニングに備えて昼寝の時間。クーラーかけていたら、コーチから冷房に直接当たるのはよくないと言われたので、窓をあけて横になってみました。暑いです……
昼からもトレーニング!
Jun 01[Tue], 2010 12:00午後からは、他の人たちと合同でするトレーニングとマンツーマントレーニングのふたつから選ぶことができます。ぼくはマンツーマンを選択しました。そしてここからはコーチも変わります。11歳からお寺でムエタイを始めその後このジムに入りトレーナー歴13年、ヨーロッパなど海外での指導経験もあるガイさん。欧米人に比べて体格が小さいことの多いタイのムエタイ選手ですが、ガイさんは大柄で、無駄のない鋼のような美しい筋肉の持ち主です。
まずは午前と同じくランニングと縄跳び。眠ってしまったカラダを起こしてからリングにあがり、ふたたび身支度をととのえてからミットを構えるガイさんと向き合います──“Hey! Come On!” というわけでまずはマッド(パンチ)。顔の高さに構えられたミットを目掛けて、ストレート中心に左右を連続。やがてスピードを上げたり、フックやアッパーカット、ファン・ソーグ(肘打ち)など様々なバリエーションを加えながら。ガイさんのリズミックな掛け声(とても上手だと思いました)にあわせ、こちらも身体でリズムを取りつつ、だいたい3〜5分ほどのマッドでのミット打ちを2ラウンド。
そして続いてはティー・カウ(膝蹴り)。これもかなりリズミカルに動かなければなりません。ミット蹴りをただひたすらやったら、次はマッドとのコンビネーション。それにしても、パンチ・キックを繰り返し出し続けるというのは、想像以上にスタミナが必要です。このパートは約10分ほどでしたがかなりきつくて、このあとの小休憩もあまりの疲労困憊に、クーラーをつけた部屋に戻ってベッドで横になっちゃうほどでした。
やっとのことで復帰、今度はこれまでの復習をしながら、そこにテッ・ラムトゥア(ミドルキック)を加え、またまたひたすらミット蹴り。状況に応じて素早く足を変えたり、前後でリズムを取ってみたり。このころにはミットを打つ音もよくなってきて、それがいい気分ではあったのですが、一方スタミナも限界に。最後のルーシー・ボッヤー(飛び肘打ち)なんかもぜんぜんジャンプできてませんでした……フラフラ。
トレーニング終了。
Jun 01[Tue], 2010 13:45おつかれさまでした。ペットボトルの水を一気に飲みきって、部屋に入りベッドで横になり、疲れた身体を回復させ、呼吸を整えたところで、シャワーを浴びながら張った筋肉を少しずつ自分でマッサージ。暑さと激しいトレーニングで筋肉が言うことを聞いてくれません。
それにしても、本当に貴重な体験ができたソー・ウォラピン・ジム2。あの強い陽射しと、とても短い時間だったけれど汗だくになりながら無心でミットを打ち続けた瞬間、そしてスタッフの方たちの笑顔はきっと忘れません。ちょっとお別れが辛くてしみじみしてしまいました。ありがとうございました!
バンコクの歓楽街(の近く)でバミー、亜明麺。
Jun 01[Tue], 2010 15:20さて、次なる予定は「古式ムエタイ」。さきほどまでの現代的なものの源流となるものがあるそうなので、ぜひともその見学に! というわけでバンコクの中心まで戻ってきました。とりあえずその前に遅めのお昼ごはん。BTSサラデーン駅からすぐのシーロム通り沿いにあるメン・バミー(亜明麺)です。
バミーは日本人にもお馴染みの小麦粉の麺。メニューも英語が表記されてますし、カジュアルな雰囲気なのでとても入りやすいのではないでしょうか。どうやらタイではキアオと呼ぶワンタンがおすすめらしいので、エビワンタン麺とエビ焼売を注文。あっさりとしたスープの麺に、ワンタンや焼売のエビがぷりぷりとおいしかったです!
そしてせっかくですから歓楽街でありますところのタニヤ通り(すぐちかくにパッポンという通りもあります!)をとおって、日本語の看板を見ながらブラブラと。こんな歓楽街ですけど、そのソイには屋台が並んで多くの人々が集い、バンコクのリアルな生活をみることもできます。
こちらもムエタイの殿堂! ルンピニー・スタジアム。
Jun 01[Tue], 2010 16:00さてさて歓楽街をのぞくためだけにこの周辺にきたのではありません。実はラーマ4世通りに出て東へ1kmほどいったところに、ルンピニー・スタジアムがあるんです。昨夜行ったラーチャダムナーン・スタジアムから11年遅れて、1956年に完成したタイ王国陸軍運営のこのスタジアムは、優秀なプロモーターにより好カードが多く組まれるところとして地元ファンに人気の場所。ラーチャダムナーンと並んで現代ムエタイの「殿堂」といえるところです。まだ興行前ということもあって誰もいませんでしたが、ちょっとテンションがあがったついでにすぐ近くのムエタイグッズ専門店「ツイン・ムエタイ・ストア」や「ルンピニー・ショップ」をのぞいてみました。ブルーのバンテージ(200バーツ)を購入。
ムエタイの源流をたどって、バーン・チャーンタイ。
Jun 01[Tue], 2010 16:50スクンビット通りを南東へ進み、BTSのエカマイ駅付近にやってきました。エカマイ通りソイ10からすこし横道にはいったところ、瀟洒な建物が並ぶ一角。ここが古式ムエタイ〈ムエ・チャイヤー〉の道場、バーン・チャーンタイです。このムエ・チャイヤー、もともとは南部地方スラタニー県チャイヤー市に伝わった素手素足でおこなう護身用の戦闘技法。1970年代ぐらいにはいったん廃れていたものなのだそうですが、こちらの先生、クリッダコーン・ソットプラサートさんがこの道場で再興をはかっています。
先生にお話を伺っているとお弟子さんたちがどんどん道場にやってきて、トレーニングが始まります。いわゆるムエタイと違い、古式ムエタイはゆっくりとした動きが多いのだとか。また主な技の型は約80ほどもあり、それぞれに、たとえば「指輪をささげる猿」「ヤシの実を蹴る馬」「大木を裂く象」「足で顔をふく」「灯火を消す」などといった独特の名前がついています。トレーニングではそれらをひとつの型につき3分間ずつ、ゆっくりやっていくそうなのですが、これが実にきつそう。複雑な動きをゆっくりとやるのは、本当に身体中の各部位の筋肉と精神力が巧くマッチすることが必要です。お弟子さんたちもかなり苦渋の表情でのトレーニングのようでした。
しかし、このあとお弟子さんたちがぼくたちのために見せてくれた演武は、それまでのトレーニングの動きとは打って変わってものすごいスピード。間や予備動作が非常に少なく、瞬時に技が繰り出されていきます。すごい! 見てみたいという方はタイの大ヒット映画『マッハ!!!!!!!!』や『トム・ヤム・クン』でどうぞ。その雰囲気は掴んでもらえると思います。
「本来、ムエタイで学ぶことは守備。攻撃ではありません。自分を守ることがもっとも大切なのです」と先生は語ります。心技体すべて充実した時に初めて古式ムエタイの達成感を感じることができるのでしょう。これが競技としてのムエタイの凛としたあの魅力の源流というわけですね。
コカコーラだらけ、Cafe Classique。
Jun 01[Tue],, 2010 19:30今夜のディナーはエカマイ・ショッピング・モールの2階にあるCafe Classiqueというレストラン。店に入ると、これがびっくりするほどのコカコーラだらけ。どうやらオーナーがコカコーラのコレクターみたいで、古い貴重な壜とかが飾られてます(たぶん)。えー、そんななかではございますが、ここはビールでいきたいと思います。本日はだいぶんカラダを動かしたのでタイ料理をバカ食いして大満足でした。
その後は、ちょっとだけエカマイ通りにあるクラブ、ナンレンに寄って音楽を聴きながらお酒をのみ、そのままホテルまで歩いて行きました。エカマイはどうやらおしゃれな街です。
本日のお宿は 72Ekamai。
Jun 01[Tue], 2010 21:30というわけで本日のお宿72エカマイもだいぶんカッコいいです! なんやろう昨晩とのこのギャップ……とか考えながら明日の準備を済ませ、チャーンビールを飲みながらゆったりとベッドに横になり、テレビのスイッチをON。いやー快適快適! タイのアイドルたちのPVがおもしろくて見入っているうちに寝てしまいました。
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