Thailand
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テクテクタイランド

Bangkok

June 2[Wed], 2010

日本人チャンピオンの足跡を、サシプラパ・ジム。

Jun 02[Wed], 2010 09:10

さあムエタイの旅も最終日。最後は、多くの優秀なムエタイ選手を輩出し続けている名門ジムを訪れてみることにしました。バンコクの東、バーンカピ区クロンチャン、ラートプラオ130からさらに路地を入っていった静かな住宅街のなかにある、サシプラパ・ジムです。

練習場からはやはりサンドバックを激しく打つ音や気合を入れる声が聞こえてきます。年期の入ったバンテージが吊るされている門からのぞきこんでみると、選手たちがシャドーボクシングをしたり、サンドバック打ちに取り組んだり。その目は鋭く、まだ朝だというのにもうすっかり全開です。でもそういえば、ぼくも昨日はこの時間にばんばんミットを蹴っていたんですよねー。

ジムの代表トーサック・ポンスパーさんは、壁にたくさん貼られた写真の一枚を指差して、フジワラ、と笑顔で語りかけてくれました。おお、これは!! そうです、タイ人以外では絶対にチャンピオンにはなれないと言われ続けたムエタイの世界で、史上初の外国人チャンピオンとなった藤原敏男さんその人の写真でした。実はその藤原さん、タイに来たときはここでトレーニングをしていたそうなんです。あのラーチャダムナーン・スタジアムは藤原さんが外国人王者として初めてチャンピオンベルトを巻き、防衛戦を戦った場所、そしてここはその藤原さんが汗を流してトレーニングに勤しんでいた場所。日本人ムエタイファンとして、もう感無量です!

その当時のことを想像しながら、裸足になって何度も床を踏みしめていると、ご年配ながらカッコいいガーン・ゲーン・ムアイ(ボクサートランクス)姿の方が、リングの上からこちらを眺めています。目が合うと優しそうな笑顔で手招き。「フジワラ、しってる?」……日本語です!

こちらはこのジムで25年以上コーチをしているというシット・サイユウさん。日本でキックボクシングの試合にも出ていたそうで(当時はわかりやすく強そうということでワンチャイと名乗っていたとか)、藤原さんや猪狩元秀さんと戦っていたとか、いかに藤原さんは強かったかといった当時の思い出や、ムエタイの素晴らしさなどを目をキラキラさせながら語ってくれました。いやー、とても素敵な出会い、嬉しかったです。

たまに食うならこんなフカヒレ、ヘン・フーチャラーム。

Jun 02[Wed], 2010 12:10

最終日なのでおいしいものを食べましょう! ということでやって参りました、ニューペッブリー通りとラムカムヘン通りの交差点近く、興魚翅(ヘン・フーチャラーム)という中華料理のお店です。店内は庶民的ですが、しかしなんといってもその名の通り、フカヒレのスープが有名! というわけで欲張って「大」を注文。そわそわしながら待っていると、来ました来ました土鍋で煮込まれた熱々のスープです。色が濃いのでかなり大味を想像したのですが、意外にもあっさりとした味わいで、何よりたっぷり入ったフカヒレの食感とマイルドなスープが絶妙。文句なし! 満足です。

カッコから入るムエタイ。

Jun 02[Wed],, 2010 13:30

せっかくなのでムエタイグッズを買って帰ろう! と思いつき、大型のスポーツ商品専門のモール、FBTスポーツ・コンプレクスや、道路沿いのスポーツ用品店などかなり探したのですが、なかなか思い通りのものが揃いません。で、どうやらサヤーム・スクエアの隣、国立競技場の周辺にスポーツ用品ばかりを売るエリアがあるということで、そちらに向かうことに。

着いたところは、小さなスポーツ用品店が数ブロックにわたってひしめく専門の商店街のような感じ。ここならなんでもありそうです。ただ、W杯イヤーということもあったりして、サッカーのグッズを取り扱っているお店が多いかも。ムエタイグッズを取り扱っているところでは、その名も“Sport Marketing”というお店がとくに品揃えが充実してましたので、ここで選ぶことにしました。やっぱりトランクスは買いましょう! スリムに見える黒がいいか、それとも精悍に見える赤がカッコいいか……悩みに悩んで店の奥のトイレで試着。結局清潔感のある白地にクラティンデーンのロゴが入った700バーツのものにしました(ラーチャダムナーンではなくルンピニーって書いてありますけれど)。ついでにグローブのリアルなキーホルダー(150バーツ)も購入です。

タイでお土産に迷ったらBIG Cです。

Jun 02[Wed],, 2010 14:30

というわけで、食料品、日用品、雑貨など生活必需品から電化製品までなんでもあるスーパーマーケット&ショッピングモール、みんな大好きBIG Cへやって参りました。まずはTシャツやパンツなどを買い漁って(安い!)その後は食料品売り場で、トムヤムクン味のカップヌードルを。これ日本では販売されてない味みたいなのでとても喜ばれます! あとBIG CにはKFCやらミスドーやらカフェやらも揃っていますので、ちょっとした休憩にもいいですよ。

空港近くでイサーン風しゃぶしゃぶ&スパ。

Jun 02[Wed],, 2010 16:40

というわけでスワンナプーム国際空港へ向かいます。が、すこし時間があまったので、空港近くのトーンター・リゾートというスパへ行くことに。おなかがすいたので予約だけ済ませ、先にスパの裏手にあるチムチュム・チャラワンという食堂で夕食をとります。ここはイサーン地方ピチット県のチムチュムというタイ風しゃぶしゃぶが名物のお店。めっちゃ辛かったけどお肉も柔らかくておいしいです! その後は飛行機の時間ギリギリまでマッサージ。心身ともにリラックスできました。これで狭い機内でもしのぐことができそうです。

今回の旅は、自分の経験値を超えた体験の連続で、まるで心も身体もどこかへ持っていかれてしまうようなできごとの連続でした。立ち技最強の格闘技。それは肉体的な強さだけでなく、精神性にも訴えかけてくるものだと思いました。

重いパンチとキックは魂を揺るがし、心に深く強烈なインパクトを与えます。そして、そこには常に音楽とリズムがありました。そのリズムに促されて、想像できないほどしなやかで美しい技が生み出されていました。音楽に導かれるムエタイは、神さまとの会話そのものなのかもしれませんね。リングに上がる時に手を合わせ、また下りる時にも手を合わす。神様、国王、また家族や身の回りのものすべてを慈しみ感謝する。当たり前のことを見失っていたような日々の歪み、それを正すチャンスをもらった気がしました。

次の機会にはもうちょっと長くムエタイを教わりたいです。せっかくカッコいいトランクスも買ったことですしね。