Thailand
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Bangkok

バンコク

立ち技世界最強ともいわれるタイの国技・ムエタイ。その歴史は古く、タイ族が興したはじめての王朝・スコータイ(13世紀–1428)においても、実戦格闘技として軍人はもちろん、王や王族にいたるまでその訓練を受けなければならないものとされていました。それが現在のように庶民のあいだに広まるようになったのは、アユタヤ王朝第18代ナレースワン王(在位1590–1605)のころに起こった隣国ビルマとの戦争がきっかけ。度重なる戦いのなか、ナレースワン王は若い男子らに剣(クラビ)、棒(グラボーン)、そして古式ムエタイを特訓させ、ビルマ軍に対してゲリラ戦を挑ませたのだとか。それ以降、各地でムエタイを教える学校ができるようになったようです。ビルマに捕虜として連行されたムエタイ選手で、後に「ムエタイの父」とも称されたアユタヤ出身のナーイ・カノム・トムが、試合でビルマ選手に対し10人連続勝ち抜いて帰還を果たした、という話も現在に語り継がれています。

バンコク王朝初期には、「古式ムエタイ」が国内4地方それぞれで体系化されるようになりました。素早く蹴ることを特徴とする北部地方の「ムエ・メンライ」、相手と距離をおきつつパンチを連続させ、相手からの蹴りは腕で受け止める東北部の「ムエ・コラート」、近距離からパンチを素早く繰り出す中央部の「ムエ・ロッブリ」、そしてヒジをよくつかい相手の蹴りなどを受け止める南部の「ムエ・チャイヤー」──もちろん、いずれも素手素足の護身用のものでした。

現在のムエタイの形ができたのは、1929年にグローブ着用がルール化され、ルンピニー公園内にリングが(暫定的に)設けられるようになってからといわれます。そして1941年の王室系ラーチャダムナーン・スタジアムの設立をきっかけに、1試合5ラウンド/1ラウンド3分/ラウンド間休憩2分間、というルールも確立されました。1956年のルンピニー・スタジアム設立以降は、全国各地から若いムエタイ選手たちが賞金をめざしてバンコクへ集うようになり、それが1959年、「キック・ボクシング」とすこしかたちを変えながら日本にも伝わるようになりました。現在もなお全世界でその強さが知られ、大勢の格闘技ファンの人気を集めつづけています。

こうやって行きました

ボクシング・スタジアムをはじめ、主なジム、スポーツショップなどはバンコクに集中しています。下記はバンコクの路線バスや高架鉄道(BTS)、地下鉄(MRT)などの情報です。

主要な観光スポットを走行する路線バス

地元の人でも、ふだん近寄らない場所にいくバスについてはよく知りません。加えてバンコクのバス停には時刻表などの情報もあまりありません。ただし観光スポットを走行する路線バスについては、タイ交通公社のウェブサイトから見ることができます(英語ページですが)。

  • Bus Info - Bangkok Mass Transit Authority : BMTA
  • *バンコクの路線バスルートを日本語でまとめてくださっているサイトがあります。ご参考にどうぞ。

    *また日本語フリーペーパーの出版社が販売しているバンコクバス路線図もあります。

    高架鉄道(BTS)

    BTS(Bangkok Mass Transit System / Bangkok Skytrain)には、スクンビット線(モーチット駅—オーンヌット駅)とシーロム線(ナショナル・スタジアム駅—サパーン・タークシン駅)のふたつの路線があります。公式ウェブサイトの路線図案内で駅出入り口とその周辺図を見ることができます。


    地下鉄(MRT)

    2004年に開通した地下鉄・MRT(Mass Rapid Transit / Bangkok Metro)は、現在フアランポーン駅(国鉄バンコク中央駅前)とバンスー駅を結ぶ20km(18駅)の区間を運行しています。またシーロム駅、スクムウィット駅、チャトゥチャック駅は上記BTSの駅と連結しています。

    行ったところ/見たもの

    ラーチャダムナーン・スタジアム

    สนามมวยเวทีราชดำเนิน

    1945年に完成したタイ最初のボクシング・スタジアム。当初はローマの闘技場のようなデザインで屋根もなく、雨に降られる度に試合中止をせざるを得ないこともよくあったそうですが、1951年に屋根が追加され、現在では冷房の効いた場内で観戦を楽しむことができます。収容人数約8,000人。パヤオ・プンタラットやカオサイなど、多くのボクシング・ワールド・チャンピオンもここから生み出されました。試合は毎週月曜日・水曜日・木曜日(18:30–23:00)と日曜日(17:00–20:00 / 20:30–24:00)に行われます。

    住所 1 Ratchadamnoen Nok Ave., Pomprab Sattrupai, Bangkok 10200
    アクセス 70, 201, 503, 509番バス
    料金 リングサイドが2000バーツ、2階席、3階席と上がるにつれて半分の料金に。入場の際は入り口付近のガイドの尋ねて下さい。いい席に案内してくれます。
    問い合わせ先 Tel: 02-281-4205, 02-280-1084

    ソー・ウォラピン・ジム2

    ค่ายมวยส.วรพิน 2

    歴史あるムエタイ/ボクシング・ジム。1979年に開設されて以来、ムエタイはもちろん、IBFやWBOにおいてもチャンピオンを10名以上輩出してきた実績をもちます。自然が豊富なタリンチャン地区にあり、敷地も広く、トレーニングには最適な環境。外国人練習生も受け入れており、トレーニングメニューも臨機応変に対応してもらえます。毎日朝夕におこなわれているトレーニングに1回だけ参加(500バーツ)というのはもちろん、宿泊施設があるので、月単位・週単位の長期トレーニングも可能。

    住所 7/15 Moo 10, Soi Siriwat, Suanpak Rd., Talingchun Bangkok 10170
    アクセス スワンナプーム国際空港からタクシーで約1時間半
    料金 朝・昼食付、エアコン付の部屋で1泊1300バーツ。エアコンなし(扇風機付)で1000バーツ
    問い合わせ先 Tel : 02-243-3651, 02-282-3551

    ルンピニー・スタジアム

    สนามมวยลุมพินี

    1956年に完成した、タイ王国陸軍によって運営されているボクシング・スタジアム。ラーチャダムナーン・スタジアムと肩を並べる、タイのボクシング界のもうひとつの頂点。優秀なプロモーターの元で、数々の名選手たちが白熱した試合を繰り広げています。収容人数約10,000人。地下鉄ルンピニー駅から徒歩約3分と交通の便がいいです。日本人選手の参戦もあるので、専門誌などをチエックしてみてください。試合は、毎週火曜日・金曜日(18:30–23:00)と土曜日(16:30–20:30 / 20:30–24:00)に行われます。

    住所 Rama 4 Rd, Bangkok
    アクセス 地下鉄ルンピニー駅から徒歩約3分
    料金 3等席1000バーツ、2等席1500バーツ、リングサイドのVIP席2000バーツ
    問い合わせ先 Tel: 02-251-4303

    ツインズ・ムエタイ・ストア

    ทวินส์ มวยไทยสโตร์

    ルンピニー・スタジアムの横にある“TWINS”ブランドのボクシング・グッズ専門店。スタジアムの試合に出場する選手たちはだいたいここで購入するそうです。周辺に軒を並べている店のなかでも品揃いがもっとも豊富。TWINSブランドは海外にも輸出されています。

    住所 Lumpinee Stadium,Prathumwan, Bangkok 10120
    アクセス 地下鉄ルンピニー駅から徒歩約3分
    料金 モチーフ入りのサティン製トランクス650バーツより
    問い合わせ先 Tel:02-655-8240

    バーン・チャンタイ

    บ้านช่างไทย

    スクムウィットの高級住宅街エカマイ地区の一角にある、タイ文化芸術道場。1996年にシリントーン王女の支援を受けて、クリッダコーン・ソットプラサート氏が開設しました。以来、地元の青少年をはじめ、関心をもつ外国人などに古式ムエタイ、操り人形(フン・クラボーク)、壁画のつくりかたなどの指導を行ってきています。ここで教えられている古式ムエタイは、「ムエ・チャイヤー」と呼ばれる南部地方スラタニー県チャイヤー市に伝わった素手素足でおこなう護身用の戦闘技法。しなやかな動きで護身術的な要素が多く、美容や健康のためにもよいことから女性にもおすすめだとか。現在、15〜50歳までの人たちがトレーニングを受けています。ひととおりできるようになるまでに最低3ヶ月は要するそうですが、さまざまなクラス分けがあり、参加しやすいようにできているので、試しにトライしてみてください。

    住所 38 Ekamai 10, Sukumvit Rd, Wattana, Bangkok 10110
    アクセス BTSエカマイ駅から徒歩約20分
    料金 通常の4回コース800バーツ(金曜日・土曜日の17:30–19:30)
    問い合わせ先 Tel:02-3913807

    サシプラパ・ジム

    ค่ายมวยศศิประภา

    タイ国内で年間最優秀ジムにも選ばれたムエタイの名門。タイ国オリンピック・ボクシングコーチを務めたチャナイ・ポンスパー氏によって約40年前に設立、現在はそのご子息で、現役時代に2度WBCチャンピオンに輝いたことのあるトーサック氏が代表をつとめています。充実したトレーニングメニューと指導力のあるトレーナーにより、多くの優秀な選手を輩出しています。トレーニングは午前の部が8時から10時、午後の部が16時から18時。外国人のトレーニングも受け入れており、宿泊施設もあります。

    住所 401 Soi Ladprao 130, Klongchan, Bangkapi, Bangkok 10240
    アクセス Imperial BIG Cからトゥクトゥクで約15分
    料金 一日体験400バーツ、1泊+朝・昼食付で一日900バーツ(2010年11月1日現在)
    問い合わせ先 Tel:02-378-0270

    FBTスポーツ・コンプレクス

    FBT สปอร์ต คอมเพลกซ์

    FBT系列のスポーツ専門デパート兼フィットネスセンター。サッカー、テニス、ゴルフなどあらゆるスポーツグッズやウェーを取り揃えています。5階には眺めのよいフードコートもあり、休憩するのに最適。道向かいにフアマーク/ラジャマンガラの両スタジアムが建つ運動公園があります。

    住所 537 Ramkhamhaeng Rd, Huamark, Bangkapi, Bangkok 10240
    アクセス エアポートリンク・ラームカムヘーン駅からタクシーで約5分
    問い合わせ先 Tel:02-718-4700

    スポーツ・マーケティング

    ร้านสปอร์ตมารเก็ตติ้ง

    国立競技場裏にあるスポーツ専門店。周辺はスポーツ用品店が建ちならぶ一画です。サッカーグッズを中心にあつかう店が多いなか、ここはトランクスやグローブなどボクシング/ムエタイ用品を豊富に取りそろえています。BTSサヤーム駅から徒歩5分のところなので、交通も便利。

    住所 847/7 Chula Soi 5, Rama 6 Rd, Pathumwan, Bangkok 10330
    アクセス BTSサヤーム駅から徒歩約5分
    料金 トランクス700バーツ、グローブのキーホルダー150バーツ
    問い合わせ先 Tel:02-214-1390

    ビッグC・ラチャダムリ店

    บิ๊ก ซี ซุปเปอร์มาร์เก็ต สาขาราชดำริ

    バンコクのショッピングセンターが多く集まるラチャダムリに建つ、全国展開の大型スーパーマーケット。どっさり、ぎっしりという言葉がぴったりの品揃えを誇り、生活用品は何でもそろいます。調味料類などもどれにしようか迷うほど多種多彩で、真空パックのカレーペーストやトムヤムクンのスープキューブなどが入手でき、日本でもタイ料理を簡単につくれます。タイのスナック菓子やカップラーメンなどはお土産にいいかもです。店内にはマッサージ屋さんやファーストフード、レストランなども充実。9:00から23:00までの営業となっています。

    住所 97/11 Rachadumri Rd, Lumpini, Pathumwan, Bangkok 10330
    アクセス BTSチットロムまたはラチャダムリ駅下車、徒歩約5分
    料金 デパートの食料品売場や一般の店よりも安い価格で買えます
    問い合わせ先 Tel: 02-250-4888

    トーンター・リゾート

    ทองทารีสอร์ตแอนด์สปา

    スワンナプーム新国際空港からほど近く、70部屋ほどのホテル。宿泊しなくとも、ホテル内にあるマッサージ&スパのサービスを利用できるので、フライト前のあまった時間を有意義に過ごすことができます。

    住所 1888 Latkrabang Rd., Latkrabang, Bangkok
    アクセス スワンナプーム国際空港から車で約10分
    料金 シングル・ルーム900〜1,200バーツ、古式マッサージ2時間700バーツ
    問い合わせ先 02-326-7258〜9

    泊まったところ

    72エカマイ

    72 เอกมัย

    活気あふれるエカマイ(スクムウィット・ソイ63)にあり、しかもBTS駅にも近いという立地ながら、閑静なたたずまいのモダンなデザイナーズ・ホテル。スタジオ10部屋、スイート8部屋というこぢんまりとした規模ながら、プール、タイ料理とイタリア料理を提供するレストランバー、ヘアサロンなどをそなえています。30〜62平方メートルの広々とした部屋は清潔感のある白をベースにデザインされ、気持ちよく過ごすことができます。

    住所 Pal Hospitality CO,.Ltd, Sukhumvit 63 (Ekamai) between Soi 4 & Soi 6, Wattana, Bangkok 10110
    アクセス BTSエカマイ駅から徒歩約10分
    料金 スタジオルーム2100バーツ
    問い合わせ先 Tel:02-714-7326〜27

    食べたところ

    リキット・ガイヤーン

    ร้านลิขิตไก่ย่าง

    ムエタイの殿堂・ラーチャダムナーン・スタジアムのすぐそば、イサーン(東北地方)の味を守り続ける老舗食堂。名物のガイ・ヤーン(タイ風焼き鳥)[ไก่ย่าง]やパパイヤサラダのソムタム[สัมตำ]、カオニャオ(もち米)のほか、トードマン・プラー(タイ風さつま揚げ)[ทอดมันปลา]、お馴染みトムヤムクンなど、一般のタイ料理もおいしいです。ムエタイの試合観戦前に集まっている人たちが多く、皆さんは食事をしながらひいきの選手のことなどを語り合っています。営業は9時から22時まで、不定休。

    住所 74/1 Ratchadamnoen Nok Ave, Pomprab Sattrupai, Bangkok 10200
    アクセス ラーチャダムヌァーン・スタジアムのすぐそば
    料金 ガイヤーン65バーツ、ソムタム30バーツ
    問い合わせ先 Tel : 02-281-3502

    メン・バミー(亜明麺)

    นายเม้งปะหมี่ปู เกี๊ยวกุ้งยักษ์

    BTSサラデーン駅からすぐのシーロム通り沿いにある、バミー(麺)とキアオ(ワンタン)の店。英語メニューあり。おすすめはえびワンタン麺のNoodle Extra Shrimp Wanton Soup with BBQ Pork(65バーツ)とえび焼売のChinese Streamed Pork & Shrimp Dimpling (40バーツ)。どれもあっさりしていて、とてもおいしいです。ご飯系ものもおすすめ。

    住所 Sala Daeng, Silom, Bangkok
    アクセス BTSサラデーン駅から徒歩数分
    料金 BBQ Noodle 35バーツ、Noodle Extra Shrimp Wonton Soup with BBQ Pork 65バーツ

    カフェ・クラッシック

    คาเฟ่ คลาสสิค

    エカマイ・ショッピング・モールの2階にあるレストラン。パスタやケーキなど洋風ものもありますが、おすすめはトムヤム・クンやヤム・ウンセンといった定番のタイ料理。なかでも前菜のムー・チョム・スアン[หมูชมสวน]が珍しくておすすめ。甘辛く煮た豚肉とそうめんにピリッと辛いソースをかけて生野菜とともに食べます。かなり広い店内は、オーナーのコレクションだという年代もののコカコーラのボトルや缶そしてグッズなどがぎっしり並んでいて、地元でもかなり有名。夕食にぜひ。営業は11時から23時。

    住所 2nd Floor, Ekamai Shopping Mall, 3 Ekamai Soi 10, Sukhumvit 63., Wattana, Bangkok 10110
    アクセス BTSエカマイ駅から徒歩約15分
    料金 一皿200〜400バーツ
    問い合わせ先 Tel:02-714-2151〜2

    ナンレン

    นั่งเล่น

    エカマイにある、地元で大人気のクラブ&レストラン。収容人数1000〜1200人の店内は、仲間とゆっくり語らうのにおすすめの“Terrace”、音楽を楽しめて人気の“Floating Sofa”、ステージすぐ横の“Live Band”、そしてグループのための“Built-in Sofa”と4つのゾーンに分けられます。夜はバンドの演奏、深夜には地元で人気のDJによるヒップポップ・ミュージックを楽しめます。営業は18時45分から2時まで。日曜定休。

    住所 217 Sukhumvit 63 (Ekamai 5), Wattana, Bangkok 10110
    アクセス BTSエカマイ駅から徒歩約15分
    料金 一人当たり約500バーツ
    問い合わせ先 Tel:02-711-6564

    ヘンーフーチャラーム(興魚翅)

    เฮงหูฉลาม

    バンコク郊外のクローンタン地区にあるフカヒレ専門店。3階建てタウンハウスの外観からはごく普通の食堂というイメージですが、土鍋で運ばれてくる名物のフカヒレスープは、マイルドで日本人の口にも良く合う高級品です(大・中・小とフカヒレの大きさによって値段が違います)。それ以外にも、広東系の海鮮料理が有名で、とくにプー・オッブ・ウンセン(蟹とはるさめの蒸し物)[ปูอบวุ้นเส้น]や、野菜炒め、そしてカオパッド・プー(蟹炒飯)[ข้าวผัดปู]などがおすすめ。営業は10時30分から22時。

    住所 115 Pattanakarn Rd.,Klongton Suanluang, Bangkok 10250
    アクセス ニューペッブリー通りとラムカムヘン通りの交差点から徒歩すぐ
    料金 フカヒレスープ(大)1000バーツ、野菜炒め150バーツ
    問い合わせ先 Tel:02-314-2304

    チムチュム・チャラワン(第5支店)

    จิ้มจุ่มชาลวัน สาขา 5

    東北地方はピチット県のしゃぶしゃぶ「チムチュム」をはじめとするイサーン料理を味わえる店。魚や肉や野菜を豊富につかった料理は、とてもおいしかったです(辛いですが)。スワンナプーム国際空港近くにあり、フライトまでの時間を過ごすのに便利な場所です。

    住所 Latkrabang, Bangkok
    アクセス スワンナプーム国際空港から車で約10分
    料金 一人当たり約200バーツ