大音量のアナウンスでスタート!
August 9[Mon], 2010 5:45今日は最後の日。だから朝焼けでもゆっくり眺めようと昨日より少しはやめに降りていったのに、お母さんはすでに朝の家事。ほんとうによく働きますよね。
今日もいい天気みたいです! あー気持ちいい。と思っていたら、突然大音量の音楽が。そして重々しい男性のアナウンスが村中に響きます。なになに? と驚いていると、「村長からのお知らせよ」とお母さん。内容は「8月12日は王妃様の誕生日であり、母の日です。その前にお寺のお参りにいきますので、みなさんに伝えてください。お供えのご飯などもまとめてください。ゴミ拾いや草刈もして綺麗にしましょう。王妃様の写真を飾るのも忘れないように。周辺の村の方にも伝えてください」とのことです。この音量では、すでにみんなに伝わっておりますよ、きっと。12日には国旗だけでなく、王妃様のためにブルーの旗も忘れないでね、というアナウンスで終わりました。
そうこうしているうちに本日も托鉢のお坊さんが回ってこられました。もう慣れたものです。ちゃんと朝のお勤めを果たしておきました。
本日の朝食は。
August 9[Mon], 2010 6:30さあご飯つくりましょ、とお母さんに誘われ、台所へ。今朝はタマルンという木の若葉から。豆苗みたいな感じで、ゆでて食べます。次に、かぼちゃと卵の炒めもの、豚の挽肉の甘辛炒め、へちまと鶏肉とバジルの炒めもの、厚揚げとベビーコーンのスープ。へちまの葉と鶏肉のスープ、魚の焼いたもの。と、またまたずらり! 油ものが多いと思うかもしれませんが、ココナッツオイルとかですべて植物性ですし、メインが野菜ですからね。ほんとにあっさり優しい味で、どんだけでも食べられます。
ところで、ピムちゃんたちは? ああ今日は月曜。学校がちょっと遠いので、すでに出発したそうです。最後にドラゴンフルーツで朝食完了。
立つ鳥は後片づけすべし。
August 9[Mon], 2010 8:00いまのうちに、荷物まとめときましょう。トランクに買った籐のバッグやキーホルダー、スカーフをつめていると、ちょっぴり胸がきゅんとします。わたしの手首には、バイシーのときに結んでもらった糸がまだ巻かれたまま。土のにおい、風の色、緑の音。自然のなかに身を浸すというのは、限りなく気持ちいいです。
トランクを持って降りていくと、誰もいません。台所を見ても。裏手に出るとお鍋とお皿山積みになってんたので、昨日お母さんがしていたように、椅子に座ってタワシでごしごし洗いました。太陽を浴びながら洗いものするのって、かなり爽快感あります。お皿に残ったおかずの残りは、壁の向こうへばーっとやると鶏たちが食べてくれるシステムでしたよね。
さ、そろそろ出発の時間でしょうか。お母さんが呼びに来てびっくり。「洗ってくれたの?!」といきなりハグされました。村長も満面の笑み。いや、お鍋洗ってここまで喜ばれるとは。照れちゃいますよ。
一瞬だけ農ガール。
August 9[Mon], 2010 9:00出発の前に田んぼに行ってみたいとお願いしたら、OKでした。お母さんとソンポーンさんに連れられ、車でひとっ走り。村を抜けて、農道を行くと、田植えをしている人がいます。「あら、来たの?」と顔を上げると、こないだの儀式でニコニコしながら話しかけてきてくれた人です。そうそう、托鉢のときにも、お見かけしました。彼女はブアローンさんといって、ホームステイチームのメンバーでもあります。そしてここは、ブアローンさんの田んぼなのだとか。
さて、田植え。田んぼのほぼ半分に、60センチ余りに成長した青々とした稲が密集してます。残り半分は、田植え前の泥田のまま。バランス悪くないですか? と聞くと、「タイではね、2種類の田植えの方法があるのよ」だそうです。
その1:ブアローンさんのように、密集させてたくさん籾を蒔く。70センチほどになったら50センチに切りそろえる。こうすると、新しい芽が出ていいお米になる。それを残り半分の泥田へ、“ほどほど”の間隔に植え直し、実りを待つ。
その2:最初の段階で籾を密集しないようほどほどに蒔いて、実りを待つ。
というもの。ブアローンさんは、「ちょっと手間だけど、うちのやり方のほうがおいしいお米になるのよ」と教えてくれました。わたしもやってみたいです! とパンツのすそをまくり上げ、素足で田んぼの中へ。おー冷たい。足がにゅるんと泥の中へ沈みます。引き上げるとき、支えている方の足がすこしずるっとすべるので、歩くときはバランスをとりながら、そーっと、そーっと。
やっとこさ、ブアローンさんの元へ。はい、と一束渡されました。見よう見まねで数本ずつまとめて根から5センチくらいのところをつまみ、腰を曲げて、泥の中へぐーっと……あれ、倒れちゃう。再びぐーっと……3回ほどチャレンジしましたが、どれも水面に対して、60度の傾き。難しいですね。すいません。
「わたしたちはね、農薬を使わないのよ。みんなこのあたりで捕る魚やカニなんかも食べるからね」とお母さんが教えてくれました。つくる、育てる、食べるという農業の一環が日常にある暮らし。ほんとうの「田舎」のスピリットだと感じました。お米食べるときはつくった人のことを想像しながら食べられそうです。どうですいまわたし、ちょっと農ガールじゃないでしょうか!
道中のスポットご紹介。ダーン・クイアン村にチョクチャイ・ファーム。
August 9[Mon], 2010 11:30運転手さんが、先ほどからやけに愛想がいいです。やたらニコニコ。「どうしても連れて行きたいところがあるんだ」と。文字にすると恋人に言われているみたいですけど、こういうときの運転手さんをわたしは知ってます。これは自分が行きたいに違いない。まあでも道中のスポットを見ておくのはいいことですよね、ということでどうぞどうぞ。
まずは、ガーデニングにつかう陶器ショップ。植木鉢に水盤、庭に飾る鶏やかえるにワニまで。あらゆるものが並んでます。「バンコクで買うと、ここの2倍なんだよ。バンコクの人が仕入れにくるとこなんだ」そうです。そういえば、タイの人、お庭や植物大事にしますもんね。まあたしかにいろいろ手のこんだものがあっておもしろいし、お値段もリーズナブル。
お店の人が「そんなに好きなら、村に行ってみたら」ということで、有無を言わさず移動。2分ほど車を走らせたら到着。ダーン・クイアンという村だそうです。ここでは100年ほど前から盛んに陶器づくりがされていて、2000人いる村の人の80%が焼き物や陶器販売に携わっているそうです。で、運転手さん。でっかい植木鉢と中くらいの植木鉢買ってました……やっぱりね。
次は? と聞くと、「ご飯でしょ」ということで、今度はなんと牧場へ。“FARM CHOKCHAI”というでっかい看板とでっかい牛が目印です。超アメリカンカントリーな風情のお店には、しぼりたての牛乳やアイスクリーム、ミルクキャンディにクッキーが並んでます。その奥がレストラン。パンフレットによると、牧場にキャンプ場が併設され、牛追いショーにバーべキューコーナーなど「牛」に関していろいろ楽しめる施設になっています。そしてなんといってもおすすめはステーキですよステーキ。タイでは鶏と豚がメジャーですけど、東北ではわりと食べられるみたい。そしてここで出される牛肉は、自家製のものに加えフランスやアメリカ、日本からの輸入ものもあるのだとか。つまり「おいしい牛肉」がたべられるということですね!
早速注文したのは、フィレステーキ。みなさん驚くことなかれ、あつあつの鉄板にわたしの手のひら二つ並べたほどの大きなフィレ! えー食べれるかしらと思いましたが、30分後にはキレイにお腹に収まってました。おいしかったです! なにより大きさに感動!
この近くには、広々ブドウ畑もあるそうですよ。そこでは自家製クッキーやぶどうジュース、そしてワインをつくっているんだそうです。
農ガールは優しいココロを手にいれた!
August 9[Mon], 2010 15:20「休憩しよう」と運転手さん。道端の野菜の屋台のそばで車を止めました。かぼちゃやインゲン、ナスに緑の野菜。「山でとれたものばかりよ」とおばさんが声をかけてくれました。持って帰れるならほんと買いたいですね。あら、運転手さんはなにやらアロエのようなもの買ってます。「これは、ここでしかないんだよ。これ、リンファーテーカーって言うんだけど、苦味があってね、これに味噌つけて食べるとうまいんだ」とニコニコ。ああ休憩じゃなくてここで買い物したかったのね……。この後は、私を今夜の宿・ザ・ヘリテージ・ホテル・バーン・シーロムまで送ってくれますが、運転手さんともお別れです。
みじかくも、こうしてわたしの今回の旅が終わろうとしています。村では、人間らしく暮らすってこういうことなのかなと思いました。自然の恵み、信仰と感謝、微笑み、親切……この村には、それが全部あった気がします。まあ少なくとも、わたしたちの普段の生活はちょっと複雑すぎる、ということは言えるんじゃないでしょうか。それに気づかされた旅でした。こうして、やさしく運転手さんを見守れるのも、バーン・プラサート効果というものですよ……
- day 1
- day 2
- day 3
- information