Thailand
Globetrotter

テクテクタイランド

Ban Prasat / Nakhon Ratchasima

バーン・プラサート[ナコーンラーチャシーマー県]

バンコクから東北へおよそ280km、イサーンと呼ばれるタイ東北部のちょうど入り口にあたる地域に位置する小さな村、バーン・プラサート。周辺はタイの穀倉地帯と呼ばれ、この村でも238世帯1260人の村民のほとんどが農業に携わり、日々イサーンの典型的な農村の暮らしが営まれています。

しかし、近隣は「タイのアンコールワット」と呼ばれるピマーイ遺跡をはじめ、バノム・ワン遺跡、ナーンラム遺跡といったクメール王朝時代の遺跡が数多く点在する地域。加えてこのバーン・プラサートでも約3000年前の古墳群の遺跡が見つかるなど、古くからの歴史が刻まれてきたところとして知られています。

今回はそんな「プラサート村」でホームステイに挑戦することに。古墳群の発掘以降、各地から多くの人が見学に訪れるようになったらしく、せっかくなのでそんな人々にタイの昔ながらの農村生活を体験してもらおうと、1993年からホームステイの受け入れるようになったのだとか。宿泊や食事はもちろん、かごづくりや機織り、農作業など、村の伝統的な日常を体験できるのが人気で、日本からも高校生や大学生、個人旅行者などが多く訪れているそうですよ。イサーンの人々は素朴であたたか。タイ語がわからなくても、身振り手振りと笑顔があれば大丈夫。彼らとの触れあいは、きっと特別な思い出になるはずです。

こうやって行きました

バンコクからバーン・プラサートへは、バスや鉄道でいったんコラート(ナコーンラーチャシーマー)へ行き、そこからローカルのバスやタクシーなどで向かうことができます。

バンコクからバスでコラートへ。

北バスターミナル(モーチット)からコラート行きに乗ります。チケットはバスターミナル3Fの東北行きの窓口へ。コラート行きのバスは、スラナリー、ナーチャシマート、エーコラパッタの3社が24時間、30分ごとに運行しています。所要約4時間。

バンコクから鉄道でコラートへ。

バンコク・フアランポーン駅から1日普通、急行、特急が1日11本運行しています。国鉄東北本線北線(ノーンカーイ線)または、東北本線南線(ウポンラーチャタニー線)でナコーンラーチャシーマー(コラート)駅下車。所要約5時間。

コラートからバーン・プラサートへ。

コラートからバーン・プラサートへは、ピマーイ行きのバスに乗り、バーン・プラサートで下車、所要約1時間。乗車時に必ず運転手さんに「バーン・プラサートで降りたい」と告げておくこと。ただし降りるのは2号線沿いになり、村へはそこから2km弱あるので、お迎えを予約しておくのがおすすめ。コラート市内からタクシーを利用するのも便利です(所要時間40分)。バイクタクシーもあります。

行ったところ/見たもの

カオヤイ国立公園

อุทยานแห่งชาติเขาใหญ่

バンコクから北東へ205キロメートル、ナコーンラーチャシーマー、サラブリー、プラーチーンブリー、そしてナコーンナーヨックの4県にまたがって広がるカオヤイ国立公園。およそ2,165平方キロメートルの広大な敷地には、湿生常緑樹林、乾生常緑樹林、乾生混合落葉樹林、そして高山常緑樹林からなる3,000種類以上の植物が自生し、オオサイチョウをはじめ、オレンジジツグミ、コルリ、ハイナンヒメアオヒタキなど東南アジアならではの約250種類の野鳥、そして野生象やトラ、テナガザルなど約67種類の哺乳類動物などが生息しています。カオ・ロムやカオ・キアオ、カオ・レームなどといった山々が連なる尾根と、そこから落下するヘーウ・ナロックや、ヘーウ・スワット、パー・クルアイマーイなどの滝がダイナミックな景観をつくりだしているエリアとしても知られ、ハイキングやトレッキングはもちろん、バード・ウォッチングや野生動物の観察の場所にも最適です。これらの豊かな自然はタイ国内でも屈指のもので、2005年にはユネスコ世界自然遺産にも登録されました。バンコクから車で2時間余りという手軽さと、高原地帯の涼しい気候から、周辺にはゴルフ場をはじめ、ワイナリーや牧場なども点在し、避暑地としても人気を集めています。6:00〜18:00。

住所 Pakchong Nakhon Rachasima
アクセス バンコクから:ナコーンラーチャシーマー行きバスに乗り、パクチョン郡で下車。パクチョン・マーケットで公園行きローカルバスに乗車。ナコーンラーチャシーマー(コラート)から:21番バスに乗り、パクチョン郡で下車。以下同じ。
料金 大人400バーツ、子ども200バーツ
問い合わせ先 国立公園管理事務所 TEL: 086-092-6529, 037-356-033

パノムワン遺跡

ปราสาทหินพนมวัน

ナコーンラーチャシーマー市内から東へ16kmのところにあるクメール石造寺院の遺跡。11世紀後半に建てられ、クメール王朝のジャヤーヴァルマン6世が修復したといわれるバプーオン様式のヒンドゥー教寺院でしたが、後に仏教のものへ変わりました。柱廊のコプラと呼ばれる戸口をくぐり抜けると本来は四角い主塔であるプラーンがあるはずですが、その尖った屋根の部分はほとんど崩壊しているため、いまは土台の部分のみが残っています。中央には数体の仏像が安置されていて、遺跡でありながら現在もなお地元の人の信仰を集めているのだとか。本堂周辺にはレンガを焼いた窯跡やサ・プレーンという身を清めるための池、そしてオロピムと呼ばれる巫女の控えの間などがあり、これはピマーイ遺跡と同じ構成だったそうです。1990年に発掘されてから11年におよぶ修復工事が行われ、現在の姿となっています。毎日6:00〜18:00オープン、入場は無料。

住所 Tambon Baan Pho Amphur Muang Nakhon Ratchasima
アクセス 市内からトゥクトゥクをチャーター。または、ナコーンラーチャシーマーのバスターミナル1番から30分おきにソンテウが運行、9バーツ。
料金 無料

バーン・プラサート・ホームステイ

บ้านปราสาท โฮมสเตย์

ナコーンラーチャシーマー市内から北東へ約45キロメートルの田園地帯にある小さな村、バーン・プラサート。238世帯1260人の村人の多くが農業を営む、典型的なイサーンの農村です。村内には東南アジア最古の遺跡・バーンチェンに次ぐ約3000年前と推定される墳墓群の遺跡があり、そのうち3ヵ所が見学できるように歴史公園として整備されています。遺跡横には博物館も併設されていて、発掘以前の様子や村の人々の暮らしの移り変わりを見ることも。この遺跡の発掘をきっかけに多くの観光客が訪れるようになったそうで、1993年からはタイ政府観光庁の協力を得て、村内有志がホームステイを受け入れるようになりました。滞在中は遺跡めぐりはもちろんのこと、ホームステイ先の家族と寝食をともにしてタイ東北部ならではの農村生活を味わうことができます。なかでも、歓迎のために村人ひとりひとりが祈りを捧げながら来訪者の手首に白い糸を巻いていく「バイシー」という儀式は、素朴ながらあたたかな心が通じ合う(言葉がわからなくても)すばらしい体験となるでしょう。

住所 Ban Prasat,Amphur Nonsung, Nakhon Ratchasima
アクセス コラート市内からソンテウ
料金 1泊300バーツ(朝食つき)、夜の演奏会への参加などは別途料金がかかります。
問い合わせ先 ティーム村長:089-581-7870(タイ語のみ)

ナーンラム遺跡

ปราสาทนางรำ

クメール王朝のジャヤーヴァルマン7世の時代、アンコールワット、パノムルン、ピマーイ間を結ぶルート沿いに建てられた102の病院施設のうちのひとつとされています。発掘された際に踊りの女神とされるナーンラムの石像があったことでその名がつき、現在はダンサーらがお参りする寺院として有名です。主塔のプラーンを真ん中に、そこへ結ぶコプラと呼ばれる柱廊の戸口、そしてクメール遺跡に欠かせない池・バライが配され、さらに南へ約80メートル先には、こちらも病院施設であったと推定される3つの石造建物が南北に並んでいます。まだ完全な修復には至っていませんが、一見の価値がある遺跡のひとつです。

住所 Nangram, Nakhon Ratchasima
料金 無料

サイ・ンガーム公園

ไทรงาม

ピマーイ市街から北東へおよそ2kmのところにある、無数のベンガル菩提樹の大木によって覆われた公園。「サイ・ンガーム」とは、美しい菩薩の樹という意味で、1911年ラーマ5世王の王妃が立ち寄ってその美しさに魅了され、命名したと伝えられています。ものによっては長さ50mにおよぶ枝もあるらしく、それが大きなテントをひろげたような屋根になっていて、人々の憩いの場として親しまれています。寿命350年で東南アジア最古のものと言われる最初の木には祠が祀られていますが、地元では奥にある貯水池で命を落とした女性の霊が樹に宿っていると信じられ、これはもともとはその供養のためのもの。現在もお参りする人が後を立ちません。周辺には土産物店や食堂などが立ち並んでおり、週末は地元の人で賑わっています。

住所 Tung Samrit, Pimai, Nakhon Ratchasima
アクセス ピマーイ市内から北へ、徒歩およそ30分。トゥクトゥクなどを利用すると便利。
料金 無料

ピマーイ遺跡

ปราสาทหินพิมาย

「タイのアンコールワット」と称されるタイ最大のクメール遺跡。スーリヤヴァルマン1世によって建てられ、後のジャヤーヴァルマン7世によって修復されたと伝えられています。堀に囲まれた565メートル×1,030メートルという大規模な敷地、正面が南のクメールの王都に向いていたことなどから、当時タイ東北部に点在していた小国家とクメール王朝をつなぐ宗教的な結節点だったと考えられ、主塔につながる四方に門を持つ回廊、左右対のナーガ(蛇神)が迎える正面階段、美しい彫刻を施した砂岩の壁面、4つの池などがその特徴とされています。ここで発掘されたジャヤーヴァルマン7世の像や古代クメール美術品などは、ピマーイ市内の国立博物館で展示されています。6時から18時まで。

住所 Nai Muang, Amphur Pimai, Nakhon Ratchasima
アクセス ナコーンラーチャシーマー第2バスターミナルから、ピマーイ行きのローカル線1305番バスが30分おきに出ています。[所要約1時間]
料金 100バーツ

ダーン・クイアン陶器村

หมู่บ้านด่านเกวียน

ナコーンラーチャシーマー(コラート)市内から東南へ約15キロメートル、陶器の村として知られるダーン・クイアンは、クメール王朝とコラートを結ぶ宿町としてキャラバン(クイアン)が往来したことにその名が由来します。町の東を流れるムーン川周辺では、鉄分を含んだ肌理の細かい粘土質の土が採集されることから、陶器づくりが盛んになりました。国道224号を挟んで軒を並べている工房では、水カメや食器、飾り物などさまざまなものがつくられていますが、とくに注目はガーデニング用の陶器の充実。植木鉢やプランターはもちろん、敷石や人形、花など抜群の品揃えで、バンコクの専門店も買いつけに来るのだとか。工房見学が可能なところも。8時から19時まで。

住所 Ban Dankwian, Amphur Dan Kwain, Chokchai, Nakhon Ratchasima
アクセス ナコーンラーチャシーマー第2バスターミナルから1307番のバスにてダーン・クイアン村で下車。

チョークチャイ・ファーム

ฟาร์มโชคชัย

アジア最大の酪農場として知られるチョークチャイ・ファーム。広大な敷地に放牧している乳牛から乳製品を生産していますが、キャンプ場にホテル、レストランなどが併設され、農場体験やロデオなど観光客も楽しめる施設となっています。経営者のチョークチャイ・ブラクーンさんは1957年、牧場経営を学んでいたアメリカから帰国。乳牛、肉牛を扱う牧場を始め、現在では32,000ヘクタールの敷地内に約1,500頭の牛が飼われているそうです。敷地内のレストランの自慢は、ステーキ。欧米からの極上の輸入肉から、自家製タイ牛まで、おなかいっぱい楽しめます(輸入ヒレステーキ800バーツ、タイ牛のTボーンステーキ290バーツで、どちらも手のひら2枚分くらいのボリュームでした)。他にも、牧場の絞りたての牛乳や、それをつかったミルクアイスやキャンディ、クッキーなどのスイーツが楽しめます。牧場の利用時間は火〜金10:00〜14:00/土日祝9:00〜15:40まで。毎週月曜定休。

住所 Mitrapab Rd, Pak Chong, Khao Yai, Nakhon Ratchasima
アクセス バンコクから車でおよそ159キロメートル
料金 牧場の入場料として火〜金、大人235バーツ、子ども115バーツ/土日祝、大人250バーツ、子ども125バーツ。
問い合わせ先 TEL:044-328-386

泊まったところ

ザ・ヘリテージ・ホテル・バーン・シーロム

โรงแรมเดอะเฮอริเทจ บ้านสีลม

3階建てのクラシックな感じの外観にアンティーク風の家具を置いた、シーロム地区のブティックホテル。わずか36室しかない客室はスタジオ、スーペリア、デラックスの3タイプで、いずれもモダーンな感じになっています。敷地内には、お土産店やきれいなカフェ、バー・スーパーなどもあり、最寄のBTSのスラサック駅から徒歩約10分という立地条件も魅力的です。

住所 659 Silom 19 Silom Road Bangrak Bangkok 10500
アクセス BTSのスラサック駅より徒歩約10分
料金 スタジオ部屋 1550バーツ
問い合わせ先 TEL:02-236-8388, FAX:02-236-8389

食べたところ

スアン・ムアン・ポーン

สวนเมืองพร

ラムタコーンダム湖を見下ろすことのできる高台のテラスが人気の山小屋風レストラン。大自然を臨みながらソムタムや鶏の炭火焼き、イサーン風ソーセージなどイサーン料理が楽しめるほか、パスタやサンドウィッチ、ケーキなどの洋風メニューも豊富。ビラ様式のリゾート・ホテルが同じ敷地内に併設されていて、土日や祭日には地元の観光客で賑わいます。

住所 204/44 M.1 Mittraphap Rd, Klongphai , Sikiew , Nakhon Ratchasima30340
料金 イサーン風目玉焼きのカイクラタ[ไข่กระทะ] 80バーツ、無農薬サラダ 60バーツ
問い合わせ先 TEL: 044-323-263 Fax: 044-323-264

ソムタム・パンラーン

ส้มตำพันล้าน

国道2号線沿いにあるレストラン。店の名前にもなっているとおり、このお店の名物はなんといってもソムタム。フレッシュな素材を使って手早くつくられる青パパイヤのサラダは、甘さ、辛さ、すっぱさが絶妙な味わい。お好みでそうめんやエビ、魚、豚、鶏などの具材を組み合わせることができます。辛いのが苦手という人は注文時に伝えると、マイルドに仕上げてもらえます。他にもガイヤーン(鶏の炭火焼)やイサーン・ソーセージ、ミー・コラート(コラート風焼きビーフン)など、本場のイサーン料理を楽しむことができます。コラート市内にも系列店アリ。営業は8時から20時まで。

住所 371 Chaiyamonkol Rd, Amphur Muang Nakhon Ratchasima 30000
アクセス 国道2号線沿い
問い合わせ先 TEL: 081-999-7083, 089-846-0451

ブン・オーチャー

บึงโอชา

コラートの新バスターミナルに隣接する人気の大衆食堂。夕方17時から明け方近くの3時半まで営業し、家族連れからカップルまで地元の常連さんで賑わっています。白いお粥に合う中華風野菜炒めから魚介類やスープ、鍋物など豊富なメニューのほか、座席の広さ、そして美味しさが人気の理由なのだとか。もちろんイサーン料理も楽しめます。塩卵のサラダ30バーツ、アサリ炒め60バーツ、黄にらとエビ炒め60バーツなど、まさに大衆食堂といった趣の味とお値段です。

住所 Amphur Muang, Nakhon Ratchasima
アクセス コラートの新バスターミナルに隣接
料金 塩卵のサラダ30バーツ、アサリ炒め60バーツ、黄にらとエビ炒め60バーツ
問い合わせ先 TEL: 044-245-904,044-271-697