「フープテーム」とは、寺院の壁に描かれた絵のことで、タイ東北部のイサーン地方では、「シム」と呼ばれています。
壁画は僧侶、地元の職人、または村人によって描かれました。主に仏教の教えや各コミュニティの伝統と文化を伝えています。フープテームはいろんな場所に存在していましたが、それぞれ線と色の伝え方が異なり同じものは一つとしてありません。マハーサーラカーム県のものはまだ百年経っていません。昔は多く見られたフープテームも、今では4か所しか残っておらず、その中でもWat Yang Thuang Wararam、Wat PhotharamとWat Pa Lelaiの壁画は保存状態が良くきれいに残っています。
マハーサーラカーム大学美術芸術学部製品設計および開発部の講師Saranya Phakdeesuwan(Pui)さんは、そんな貴重な「フープテーム」を学び知るだけでなく、その歴史と美しさを多くの人に伝えたいという思いから、フープテームからインスパイアされた製品を創り出し、村人自らがコミュニティに収益を生み出せるように導きました。
プイさんは10年前、グラフィックデザインの学生としてフープテームを初めて見た時に、独特の魅力があり、デジタルグラフィックデザインのようでとても美しいと感銘を受けました。フープテームに描かれたパターンは、まるで絵の中に同じキャラクターがたくさん登場するストップモーション・アニメーションのようだと感じています。
この美しいパターン模様を藍染めやバティック(ろうつけ染め)の技法で布地に染めていきます。手書きのバティックは高度なテクニックを必要とするため、パターンの木型を作って型染めすることで村人の技術的な負担を軽減し、身近なものにしました。この独特なパターン模様が美しい布を使ったバッグなどは商品化されていて、地域の特産品にもなっています。
基本情報
名称 | フープテーム・プロダクト |
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名称(英) | Products from Hoop Team |
住所 | Yang, Borabue District, Maha Sarakham 44130 |
アクセス | 現存する4か所のうちの一つ、Wat Yang Thuang Wararamへはマハーサーラカーム市内から車で約40分 |
地図 | Googleマップで確認する |