12月26日付、バンコク及びアユタヤにおきまして、日本国外務省により発令されていた渡航情報(危険情報)が引き下げ及び解除されました。
引用元:日本国外務省 海外渡航情報
●首都バンコク:「十分注意してください。」(一部地域の引き下げ)
タイ国内政治情勢としては、2006年のクーデター以降、タクシン元首相を支持する勢力と、同元首相に反対する勢力との間で対立が続いています。2008年には反タクシン派の「市民民主化同盟」(PAD、通称『黄シャツ』)による首相府及び空港の占拠が発生し、2009年にはタクシン元首相支持派の「反独裁民主戦線」(UDD、通称『赤シャツ』)によるパタヤでのASEAN首脳会議会場の占拠やバンコク都内での大規模かつ過激な反政府デモ・集会の実施があり、2010年3月から5月にかけてはUDDがバンコク中心部を占拠し、治安部隊による強制排除で90人以上の死者が出る事態となりました。
その後の情勢の沈静化に応じ、タイ政府は、バンコク都やその周辺に出していた非常事態宣言を2010年12月に解除し、2011年5月にはバンコク都中心部への国内治安維持法適用を解除しました。2011年7月に行われた下院総選挙では、タクシン派のタイ貢献党が第一党となり、インラック政権が誕生しましたが、インラック政権発足後、これまでのところは、大規模な集会等の開催は見られていません。
なお、バンコク都が「避難勧告」を発出していた22区(都内中心部の一部地区、北部、西部及び東部)における冠水地域はタイ当局による排水作業が功を奏し、その後さらなる広がりを見せておらず収束に向かっています。
つきましては、同22区の危険情報を「十分注意してください。」に引き下げますが、不測の事態が発生するおそれは排除されませんので、これら地域に渡航・滞在を予定されている方は、現地情勢に関する最新の情報を入手するとともに、不測の事態に巻き込まれないよう慎重に行動してください。また、災害が身近に発生した場合は、速やかに関係者に連絡を取るなどの準備と心構えをおろそかにしないようお願いします。
●アユタヤ県、パトゥムタニ県、ノンタブリー県、ナコンパトム県及びサムットサコン県:
「渡航の是非を検討してください。」の解除
アユタヤ県内及びパトゥムタニ県内においては、洪水被害により同県内の工業団地に所在する多くの日系企業(工場)が操業停止を余儀なくされていましたが、工業団地の多くは排水を終え、復旧作業に取りかかっています。アユタヤ県の中心部及び世界遺産に登録されている遺跡群においては、冠水被害は認められず日常生活を取り戻しつつあります。
これら地域においては、幹線道路から離れた一部の地域においては一部冠水している地域が点在していますが、日常生活に支障が生じていることはうかがわれず、冠水被害地域の拡大は認められません。
つきましては、これら地域に発出されていた危険情報(「渡航の是非を検討してください。」)を解除しますが、不測の事態が発生するおそれは排除できませんので、これら地域に渡航・滞在を予定されている方は、現地情勢に関する最新の情報を入手するとともに、不測の事態が身近に発生した場合は、速やかに関係者に連絡を取るなどの準備と心構えをおろそかにしないようお願いします。