GIとは「Geographical Indication」の略で「地理的表示」を意味します。タイ知的財産局(Department of Intellectual Property：DIP)は、農業と経済の発展、また、コミュニティ活性のために、地理的表示(GI)制度を促進および保護しています。タイ全国の名産や特産など、その土地で育まれた地域ブランドを保護することで、付加価値が付きタイ国内の農業の競争力も高まります。

• 地理的表示(GI)とは
• 北部のGI製品
• 東北部のGI製品
• 東部のGI製品
• 中央部のGI製品
• 南部のGI製品

東北部のGI製品マップ

　

[ 目次 ]
• 東北部のGI製品マップ
• カラシン県
  • カラシン・プレーワー・シルク
  • カラシン・カオウォンもち米
• コーンケーン県
  • チャナボット・マットミー・シルク
• ナコーンパノム県
  • ター・ウーテン・パイナップル
  • ナコーンパノム・ライチ
• ナコーンラーチャシーマー県(コラート)
  • ドンマファイ・コーヒー
  • ワンナム・キアオ・コーヒー
  • トーンサムリット・ジャスミン米
  • カオヤイ・ワイン
  • ダンクイアン・ポッタリー
  • ペット・ノン・タイ・マニラタマリンド
• チャイヤプーム県
  • トーン ディー バン テーン ザボン
• シーサケート県
  • バーンムアンルアン・ケップシルク

カラシン県

カラシン・プレーワー・シルク

カラシン県に住むプータイ族に伝わるこの特別なプレーワーの伝統絹織物は、祖母から母へと代々受け継がれてきた文化的遺産です。プータイ族の少女は9～15歳で、この伝統的な手織りを習得します。光沢のある絹糸を使用し、縦糸と横糸を正確に織る独特の技術がこのシルクの特徴です。

カラシン・カオウォンもち米

カラシン県カオウォンもち米は、地元うるち米品種「RD6」のゴーディアウ(Gaw Diaw)で、雨期の間に栽培されます。香りがよく、やわらかいのにつぶれにくく、蒸した後密閉容器に保存すると冷めた後でも数時間柔らかさが持続するのが特徴です。

カラシン県は、四方を山に囲まれた盆地です。タイ語で盆地を意味する「カオウォン」が、このもち米の名前の由来。カルシウムとケイ素が豊富な土壌で干ばつが少なく、気候は涼しく乾燥しているため、他の品種の米より収穫時期が早いです。

コーンケーン県

チャナボット・マットミー・シルク

コーンケーン県農村部チャナボット地区特産のチャナボット・マットミー絹織物は、地元の知恵に基づいた精巧な柄が特徴の素朴な絹織物です。

昔から受け継がれた製法で、より糸と複雑な絞り染めの技術が必要です。生地はしっとりとした質感で柔らかく、光沢があり、結び目模様があります。ドレス生地やスカーフ、ショールなどに加工されます。

ナコーンパノム県

ター・ウーテン・パイナップル

果実はかなり大きくしっかりしており、皮は薄くて実は濃い黄色で香り高く、サクサクとした食感です。果肉は刺激が少なく舌がピリピリせず、芯まで食べられます。

この地域の土壌は砂質で年間を通して十分な雨量ある上、干し草と麦わらでパイナップルの実を直射日光から保護するという栽培方法で、より甘くジューシーに成長します。長年培われた栽培の経験と専門知識の賜物です。

ナコーンパノム・ライチ

「ナコーンパノム・ライチ」は、ノーポー 1(Nor Phor 1)という品種です。皮は赤みがかったピンク色で、形は大きく楕円形です。果肉は乳白色で甘酸っぱく、渋みはありません。

ナコーンパノム県の大部分は高原ですが、栽培地域はメコン川付近の盆地で砂利が混ざった緩い土壌です。雨期に雨量が多く、乾期は涼しい気候のため他県のライチとは違った味わいがあります。毎年4月のタイの旧正月(ソンクラーン)にはライチ祭り「Ban Na Done Lychee Festival」が開催されます。

ナコーンラーチャシーマー県(コラート)

ドンマファイ・コーヒー

ナコーンラーチャシーマー県(コラート)の海抜400～700mの高原地帯マクルアマイ郡、スンノエン郡で育つバランスの取れたまろやかな味わいのコーヒーです。

アラビカ種で、カフェイン含有量は、重量の1％未満と少ないカフェインレスコーヒー。ドンマファイ村の土壌は砂利を含む火山性土壌で水はけがよく、昼は暑く、夜は涼しい寒暖差が低カフェインコーヒーの栽培に適しています。

ワンナム・キアオ・コーヒー

ナコーンラーチャシーマー県特産のワンナム・キアオ・コーヒーの品種には、アラビカ種カティモールF-7とロブスタ種チュンポーン2があります。

ワンナムキアオ郡の山岳地帯は海抜300～700mあり、コーヒー栽培地域は海抜400～600m。年間を通して涼しく木陰で成長するコーヒーを栽培するのに適しています。コーヒーの実は標準化された方法で生豆、細挽き、焙煎コーヒーに加工されます。 本格的な香りで、その味は消費者に広く愛されています。

トーンサムリット・ジャスミン米

トーンサムリット・ジャスミン米は、玄米と白米を意味します。その特徴は細長く自然な香りで、雨期に栽培されたカオドックマリ105品種米です。農地であるトーンサムリットは、岩塩が含まれています。

トーンサムリットは、ナコーンラーチャシーマー県の14地区113の準地区にまたがる広大な土地です。高地と低地の両方があり、岩塩を含むこの地域の土壌は水はけが悪いため、米にストレスを与えます。その結果、2-アセチル-1-ピロリン(2AP)を生産することで、香りのよい化学物質が生まれることがわかり、トーンサムリット・ジャスミン米を他の米より一層香り高いものにしています。

カオヤイ・ワイン

カオヤイ・ワインは、白ワイン、赤ワイン、ロゼワインそして発酵したてのスパークリングワインがあります。 特徴はクリアボディで、その色、香りと味わいは、ブドウそのものの特徴がよくあらわれています。

カオヤイ・ワインは、ナコーンラーチャシーマー県パークチョン郡とワンナム郡でワインづくり用にぶどうを栽培し収穫、そしてワインへと加工しています。

生産地域は、カオヤイ国立公園の北部、300m海抜以上。 山がモンスーンからの暴風除けとなります。 地下水は淡水で、土壌のほとんどは下層土です。 この地域の気候は、ブドウの収穫期間中は涼しく乾燥しています。すべての条件が、この地域でカオヤイ・ワインを生産するためのブドウ作りを完璧なものにしています。

ダンクイアン・ポッタリー

ダンクイアン陶器は、高温で焼いた素焼きの陶器です。 焼き上がった色は自然の土色です。光沢があり、強く叩くと共鳴音がします。水を入れても、漏れることはありません。ダンクイアン陶器は、村人独自のプロセスに従って作られています。ナコーンラチャシーマー県チョークチャイ郡ダンクイアン町、タージャルン町、ターアン町、ラロムマイパタナ町でつくられています。

チョークチャイ郡の土壌のほとんどは、砂質土壌です。老朽化した玄武岩で土層が重なっていて、高レベルの鉄やミネラルを含み、その結果、陶器に高い耐性が生まれます。燃焼時の温度であるため、ダンクイアン陶器は強くて良質です。※ダンクイアン陶器村の情報はこちら

ペット・ノン・タイ・マニラタマリンド

ペット・ノン・タイ・マニラタマリンドは、ナコーンラーチャシーマー県ノンタイ郡で栽培されています。
大粒のマニラタマリンドです。鞘(さや)の形状は円形または湾曲していて、円形に重なりあったバネのような形をしています。果実は大きくなると裂けて果肉が見えます。果皮は緑がかった赤色で、果肉は不透明な白やピンク色がパリパリしています。

ナコーンラーチャシーマー県の地形は、高地または浅い起伏に富んでいる特徴があります。土壌は　砂質ロームで、湿度が低く肥沃度は高くありません。土壌は中程度から非常に塩分があり、中から高の酸度があります。

この地域は乾燥した気候で、塩分を含んだ土壌はマニラタマリンドの栽培に非常に適しています。これらの要因はペット・ノンタイ・マニラタマリンドに独特の甘さと歯ごたえを与えています。

チャイヤプーム県

トーン ディー バン テーン ザボン

トーンディーバンテーンザボンはチャイヤプーム県バンテーン地区で栽培されています。
形は丸く、果肉はうっすらとピンクがかたったオレンジ色をしています。味はまろやかな酸味があり、果実の中はとてもジューシーですが外側に水気はありません。バンテーン地区の地形は高原で、わずかに酸性のコラート土壌に分類される砂壌土です。
気候はモンスーン気候で暑季、雨季、冬季の３つの季節があります。

この地区は東にプーメン山、北東にプータパオ山があり、木立や疎林が多いため周辺地域より涼しいです。その為この地域ではザボン栽培に適しておりトンディーパンテーンザボンに独特の風味と美味しさを与えています。

シーサケート県

バーンムアンルアン・ケップシルク

バーンムアンルアン・ケップシルクは、”ルークケウ”と呼ばれるビーズ模様のパターンが特徴の伝統的な機織り技術で織られた手織りのシルクです。カキノキ科の樹木である黒檀の木を使用して黒く染め、芳香性のハーブで香り付けし、”パックセウ”と呼ばれる方法でカラフルな刺繍が施されています。この美しくユニークな刺繡は、シーサケート県ムアン郡フワイタップタン地区に伝わる伝統的な技法です。

バーンムアンルアンは200年以上の歴史を持つ村で、村の人々はカイコを育てて機織りで生計を立てていました。”パー・イエッブ”、”パー・ケップ”や”パー・ライ・ルークケウ”と呼ばれるビーズ模様は村の鐘楼の形に影響を受けたもので、そこにこの地域の土壌の特性を組み合わせたものです。バーンムアンルアンの土壌は、黒檀が自然な状態で成長するのに適しているため、たくさんの黒檀が育ちます。村の人々は黒檀の実を使って絹織物を染め、太陽の下で天日干しした後泥に漬けて発酵させ、完全な黒色になるまでこれを数回交互に繰り返します。この作業によって生地は厚く丈夫になり、長持ちします。世代から世代へと受け継がれてきた地元の知恵です。

[ 索引 ]
• 米（Rice）
  • カラシン・カオウォンもち米
  • トーンサムリット・ジャスミン米
• 布（絹・綿）・Fabric （silk+cotton）
  • カラシン・プレーワー・シルク
  • チャナボット・マットミー・シルク
  • バーンムアンルアン・ケップシルク
• 食べ物（Food）
  • ドンマファイ・コーヒー
  • ワンナム・キアオ・コーヒー
  • カオヤイ・ワイン
• 野菜・果物（Vegetables・Fruits）
  • ター・ウーテン・パイナップル
  • ナコーンパノム・ライチ
  • ペット・ノン・タイ・マニラタマリンド
  • トーン ディー バン テーン ザボン
• 手工芸（Handicraft Industry）
  • ダンクイアン・ポッタリー

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