アユタヤ
1350年にウートン王によって建都されてから、1767年にビルマ軍の攻撃で破壊されるまでの417年間、アユタヤ王朝の都としてタイの中心であり続けた都市です。チャオプラヤー川とその支流に囲まれた地形は水運に恵まれ、17世紀はじめにはヨーロッパと東アジアを結ぶ国際貿易都市として繁栄しました。その都市計画や中央集権制度、国際貿易振興といった近代国家の基盤は、その後のバンコク王朝にも受け継がれています。苔むした仏塔のチェディ、悠然と横たわる涅槃像、素晴らしい建築美を誇る歴代王の離宮、かつて栄華を極めた古都の壮大な歴史が眠る遺跡の街・アユタヤ。現代にその当時の姿をつたえる荘厳な遺跡群は歴史公園として整備され、1991年にユネスコ世界遺産にも登録されました。
- 2024/11/18
- 2024/09/06
- 2024/03/01
観光施設・イベント
アユタヤ王朝の往時を偲ばせる壮大な遺跡群[アユタヤ島中心部*]
かつて王室儀礼が執り行われ、歴代3人の王が眠っている王宮寺院のワット・プラシーサンペット、初代王ウートンの菩提寺ワット・プララーム、長い年月ののち木の根で覆われてしまった仏像の頭が残るワット・マハタート、凄まじい王位継承争いで亡くなったふたりの兄のために8代王ボロムラーチャー2世が建立したワット・ラチャブラナなど、「コ・ムアン」と呼ばれる島状の中心部に広がる歴史公園には、アユタヤ王朝の繁栄ぶりを偲ばせる多くの遺跡があります。象に乗って遺跡をまわるツアーもまた格別。一部の遺跡は、日没から21時までライトアップがされ、サムロー(人力車)で街なかをまわったり、クルーズで運河からゆったりと幻想的な光景を楽しむことができます。
*アユタヤ島とは、四方をチャオプラヤー川とパーサック川とロッブリー川に囲まれたエリアです。
アユタヤの歴史を学ぼう[アユタヤ島*]
遺跡めぐりは、強い陽射しを避けた朝夕がおすすめ。暑い昼間に博物館でじっくり歴史と向き合うなら、歴代王の宮殿でその建築群が美しいチャンタラカセーム国立博物館、アユタヤ時代の美術品や遺跡から出土した宝物を展示するチャオ・サーム・プラヤー国立博物館などがあります。アユタヤ島の南東にある鮮やかな壁画と彫刻が見事なワット・スワン・ダララームも見どころのひとつです。
*アユタヤ島とは、四方をチャオプラヤー川とパーサック川とロッブリー川に囲まれたエリアです。
アユタヤ王朝以前の遺跡と外国人居留跡[アユタヤ島外縁*]
16世紀初め、ポルトガルをはじめ、イギリス、フランスなどの西洋諸国のほか、ベトナムやマレーなど近辺の国々、そして中国や日本からの外国人商人が交易のためにアユタヤを訪れていました。日本人商人は倉庫を建て商品を買い集め本国に運ぶために日本人村をつくりあげ、最盛期頃には1000~1500人の日本人が生活をしていたと言われています。現在、大きく迂回するチャオプラヤー川の西側に、日本人町跡が重要史跡として保存され、隣接する資料館には徳川時代に日本から送られた親書などが展示されています。一方、アユタヤ島の外緑の北東方面には、アユタヤ王朝以前の建立とされるワット・マヘーヨン、ワット・クディダーオといった遺跡が。こちらは外観が比較的しっかり残存し、また観光客の姿も多くないため、往時の美しさを想像しながらゆっくりと散策することができます。
*アユタヤ島とは、四方をチャオプラヤー川とパーサック川とロッブリー川に囲まれたエリアです。
- ワット・プッタイサワン
- ワット・ヤイチャイモンコン
- ワット・ナープラメン
- ワット・プーカオトーン
- ワット・パナンチューン
- ワット・マヘーヨン
- ワット・クディダーオ
- ワット・チャイワッタナラーム
- 日本人村
もうひとつの宮殿、西洋と東洋の文化が交錯する仏教寺院[バンパイン]
アユタヤの中心地からチャオプラヤー川を南へ約17キロメートル、バンパイン宮殿はアユタヤ王朝24代王プラサート・トーンが建てた宮殿で、後にバンコク王朝のラーマ4世・5世が夏を過ごす離宮として修復したものです。川を挟んだ反対側にあるワット・ニウェート・タンマプラワットは、本堂の尖塔や装飾、ステンドグラスなどがキリスト教会を思わせるようなゴシック様式でつくられています。さらに南へ18キロメートルほど行くと、タイの各地方の伝統家屋や民芸品・生活用品などが展示されたバンサイ民芸文化村があります。
アユタヤ郊外に注目の新たなスポット [カノーンルアン/パックハイ/セーナー]
アユタヤの中心地から南へ約11キロメートル、かつて関所があったカノーンルアンでは、ゴンコーン市場が土日のみ開かれています。売るほうも買うほうもしゃがんで(ゴンコーン)品物を選ぶという昔ながらのマーケットとが再現されています。北西へ約50キロメートル、パックハイ郡のラードチャドー市場は、趣のある木造長屋に雑貨屋、惣菜屋、食べ物屋などの商店が軒を連ね、古き良きタイの風情を感じることができます。市場内には集落の歴史や、周辺で獲れる淡水魚の資料なども展示されており、市場の人々の素朴なもてなしの心が伝わります。近年は、すぐ南にあるセーナー郡ラーン・チョラケー村で、川沿いに建つ、高床式木造家屋でのホームステイが人気を集めています。小舟で周辺を散策しながら、空心菜やハスの花を栽培している地元の人々と触れ合う、エコロジーなスタイルの旅がバンコクの若者たちに受けています。
歴史公園で花火を[アユタヤ島*]
アユタヤでは毎年12月、世界遺産に登録されたことを祝う祭りが催され、歴史公園を舞台に伝統舞踊などのショーや花火が披露されます。ソンクラーンやロイクラトンなど、タイの伝統的な祭りや川でのボートレースも盛大に行われるため、時期をあわせて訪れたいものです。*アユタヤ島とは、四方をチャオプラヤー川とパーサック川とロッブリー川に囲まれたエリアです。
基本情報
位置
バンコクから北へ約76km
隣接する県
バンコク、スパンブリー、ロッブリー
旅の季節
年間を通じて暖かい気候、世界遺産祭りは12月
行き方
バンコクから飛行機・バス・鉄道などで行くことができます。
鉄道
バンコクのフアランポーン駅発、チェンマイまたはウボンラーチャターニー行きが1日15本[所要約1時間半]
バス
バンコク北バスターミナル発[所要約1時間半]
船
バンコクのシャングリラ・ホテル前とリバーシティショッピングセンターのボートツアーセンターから、数社によるリバークルーズが毎日運航しています。チャーターも可能。
県内・市内交通
アユタヤの遺跡群は、東西約6キロ/南北約4キロの川に囲まれたアユタヤ島と呼ばれる中州とその周囲に集中しています。遺跡めぐりには日本語音声付トラム、貸切のトゥクトゥク、レンタサイクルなどが利用できます。ランチやディナーとともに、遺跡はもちろん流れゆく川べりの風景を楽しめるリバークルーズもおすすめ
レンタサイクル
鉄道駅附近や町のゲストハウスで、1日約50バーツで借りることができます。
ボート
チャタラカセーム国立博物館近くの船着場から3〜5人乗りボートをチャーターすることができます。料金の目安は1時間で約600〜800バーツ。
トゥクトゥク
エンジンつきの小型三輪車でコロンと丸い鼻先が愛嬌たっぷりのトゥクトゥク・ホアゴップ(カエル頭のトゥクトゥク)。料金の目安は1時間チャーターで約200バーツ。
サムロー・ティーブ(人力車)
街の至るところを走行しています。料金は交渉制。
名物・特産品
伝統的な民族人形、手づくりナイフ、綿菓子(ローティサーイマイ)
注意事項
遺跡や寺院を訪ねる際、露出度の高い服装を避けてください。仏像を触ったり、上って写真撮影したりすることは厳禁です
主要連絡先
TATアユタヤ
035-246-076, 035-246-077
ツーリスト・ポリス(シーサンペット通り)
035-242-352
アユタヤ警察署
035-241-001, 035-241-591, 035-241-592, 035-241-593, 035-241-594
アユタヤ駅
035-241-521
アユタヤバスターミナル
035-335-304
プラナコーン・シー・アユタヤ病院
035-322-555, 035-322-556, 035-322-557
ラチャタニー病院
035-335-555, 035-335-556, 035-335-557