「チャーク・ンゲオ・チャイニーズ・マーケット」は、チョンブリー県バンラムン地区フアイヤイにある木造の商店街がひときわ長く続く古いマーケット。タイと中国の文化や生活様式を体験することができるローカルコミュニティ内にあり、100年もの歴史があります。賑やかな観光地であるパタヤにありながら、観光客にはあまり知られていない場所です。
住民のほとんどは高齢者と子供たちで、この地域の若者のほとんどは、仕事を求めてバンコクやその他の都市に移住しています。持続可能な観光局指定地域(DASTA=Designated Areas for Sustainable Tourism Administration)は、このマーケットの貴重な歴史を認めており、マーケットを復活させるために地域社会やその他の地元の関連機関と協力しています。バーン・チャーク・ンゲオ・コミュニティ・ツーリズム・クラブ(Ban Chak Ngaew Community Tourism Club)もあり、伝統的なタイと中国の文化が融合したウォーキングストリートとなるようマーケットとコミュニティの開発に取り組んでいます。伝統的な中国風の住宅や生活様式が今も残されていて、特徴的なものは、古代の池や通り沿いのコミュニティ周囲に建てられた300を超える木造の商店などが挙げられます。そして、近年タイや中華系の人々の地元の生活様式を紹介するウォーキングストリートとして生まれ変わりました。
このマーケットには、かつての繁栄の痕跡が今もなお残っており、築50年の映画館、アヘン工場や古い商店など数多くの建物を通してその歴史を見ることができます。地元の人々から信仰されているチャオメー・タップティム神社(アマ・チャーク・ンゲオ神社)は、船員や航海者を守り、雨期には雨の恵みをもたらす中国の女神であると信じられています。チャオメー・タップティムの像がいつ発見されたかを示す確かな証拠はありませんが、地元の人々が知る限りでは、約100年前からこの女神を崇拝し続けていて、地元の漁師たちが海に浮かんでいる木材を発見し、その木材を彫ってチャオメー・タップティムの像を造ったといわれています。毎年、チャオメー・タップティムに敬意を表すお祭りが開催され、祈祷や”テー・クラチャード“(テー・カチャード)と呼ばれる伝統的な中国式の功徳を授ける儀式(タンブンの一種)なども行われます。このお祭りは、代々受け継がれてきた地元の伝統であり、地域の人々の精神的な拠り所とも考えられています。
このウォーキングストリートの興味深いところは、コミュニティ外の人がマーケットに店や屋台を出店することを許可しないという協定を結んでいることです。また、地元の商売人は、このコミュニティの持ち味を活かすための、地元で作られた製品や食品のみを販売しており、現在まで受け継がれてきた独自のレシピで作られる郷土料理の数々を楽しむことができます。おすすめのメニューは、カニ肉巻きの揚げ物”ホイジョー”、豚の乾燥フレーク(ムーヨン)、中華菓子、魚の浮き袋のスープ、カリカリビーフン、ホイトート(貝のお好み焼き風)、フィッシュヌードル、中国の五香入り鶏肉と鴨のスープ煮込み、もち米を竹の葉で包んで蒸した中華風ちまき”バチャーン”、雷魚入りタイ風蒸しカレーやニラ餃子などです。街歩きを楽しみながらローカルグルメを味わってみてください。
基本情報
名称 | チャーク・ンゲオ・チャイニーズ・マーケット |
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名称(英) | Chak Ngaew Chinese Market |
URL | https://www.dasta.or.th/en/article/346 |
営業時間 | ウォーキングストリートは毎週土曜日の15:00~21:00まで |
アクセス | バンコク市内からパタヤまで車で約2時間半~3時間、パタヤの中心部から車で15~20分 |
電話 | バーン・チャーク・ンゲオ・コミュニティ・ツーリズム・クラブ(Ban Chak Ngaew Community Tourism Club) 089-002-5781 |
備考 | https://www.tourismthailand.org/Attraction/ancient-chinese-community |
地図 | Googleマップで確認する |