ペッチャブリー県は、古くから地元の文化や生活様式を反映してきた歴史ある県であるだけでなく、寺院、特に県中の山々にある洞窟寺院などの信仰の場も数多くあります。カオ・ルアンにある「ワット・タム・カオ・ルアン」(カオルアン洞窟寺院)は、市内中心部からカオ・ワンのある方向に約5km離れた、標高約92mの小高い山に100年ほど前に建てられた洞窟寺院。かつてモンクット王(ラーマ4世)がこの地の静けさを好み、頻繁に瞑想に訪れ多くの仏像を残しました。
洞窟の美しさを目の当たりにしたモンクット王は、山の麓から洞窟に続く長さ10mのコンクリートの階段を建設し、ラタナコーシン時代に修復される前に洞窟に安置されていた古代の仏像も手に入れました。長さ6mの涅槃仏やマラを鎮圧する姿勢をとった大きな仏像などは、参拝者によって外部から持ち込まれ、ここに安置されたものと考えられています。
チュラロンコーン大王(ラーマ5世)が治世中にペッチャブリーを訪問し、尊父であるモンクット王に敬意を表して、カオ・ルアン洞窟(タム・カオ・ルアン)にモンクット王にふさわしい寺院を建てたいと考えていました。チュラロンコーン大王は、古い仏像と一緒に洞窟内に安置できるよう新しい仏像を造らせ、チャクリー王朝の紋章の最初の5人の王を新しい仏像の台座のひとつに刻ませました。この洞窟を訪れた際に、鍾乳石や石筍が至るところにあり、とても魅力的だとチュラロンコーン大王が感銘を受けたと伝わっています。
洞窟上部の岩の裂け目から漏れ射す明かりが仏像を照らし、幻想的な雰囲気を醸し出す美しい光景を目にすることができます。また、岩の裂け目から洞窟内に冷たい空気が流れ込み、湿気が少ない状態を保っています。ワット・タム・カオルアンは改修され、現在では観光客が多く訪れる名所となり、売店なども設けられています。寺院にはたくさんの野生の猿が生息しており、時折その姿を見かけることも。“Royal Cave”(ロイヤル・ケーブ)とも呼ばれるこの洞窟は、静謐な空気に心安まる神秘的なパワースポットです。
基本情報
名称 | カオ・ルアン洞窟 (ワット・タム・カオ・ルアン) |
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名称(英) | Tham Khao Luang (Wat Tham Khao Luang) |
URL | https://www.tourismthailand.org/Attraction/tham-khao-luang |
営業時間 | 08:30~16:00 |
料金 | 入場無料 ※参拝料(任意)を設置された賽銭箱へ |
住所 | Thong Chai Muang Phetchaburi, Phetchaburi 76000 |
アクセス | ホアヒンから約70km、車で約1時間半 (ソンテウチャーター1,500バーツ~)チャアムから約45km、車で約1時間 (ソンテウチャーター1,200バーツ~) |
電話 | タイ国政府観光庁 ペッチャブリー事務所:032-471-005~6 |
備考 | 寺院までは緩やかな道が続き、徒歩または車で坂を登ることができます。歩きやすい靴でお出かけください。 |
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