タイのラーメン クイッティアオとは
タイの主食はお米ですが、麺を好んで食べる人も多く、タイでは朝昼晩と麺料理を食べている人々の姿をよく見かけます。
中でもクイッティアオ(ก๋วยเตี๋ยว)はタイのポピュラーな麺料理。クイッティアオのお店は基本的に専門店であることが多く、屋台や食堂、フードコートなどで手軽に食べることができます。
クイッティアオは基本的に麺やスープ、トッピングの種類を自分で選ぶことができ、その組み合わせは無限大とも言われています。好みの麺を好きな調理方法で注文し、卓上の調味料で好みの味に調整して味わいましょう。
こちらのページでは、多種多様なタイの麺料理「クイッティアオ」についての情報や注文方法をご紹介します。
麺の種類
麺の種類は様々ですが、主に使われるのはセン・レック、セン・ヤイ、セン・ミー、セン・バミー(バミー)、ウンセンの5種類。まずは基本の5種類を見ていきましょう。
基本の5種類
セン・レック(เส้นเล็ก)
セン・レックは米粉を原料とする1~3mmほどの細麺。セン・レックは「細い麺」という意味ですが、最も細い米麺のセン・ミー(เส้นหมี่)と比べて「中太の米麺」と訳されることもあります。
セン・ヤイ(เส้นใหญ่)
セン・ヤイは米粉を原料とする1.5~2.5cmほどの太麺。他の米麺と違い、タイ国内では通常乾燥させていない生麺が使用されます。
セン・ミー(เส้นหมี่)
セン・ミーは米粉を原料とする1mm以下ほどの極細麺。タイビーフンとも呼ばれています。
セン・バミー(เส้นบะหมี่)
セン・バミー(バミー)は小麦粉から作られる卵入りの麺。その色から「黄色の麺」を意味するセン・ミールアン(เส้นหมี่เหลือง)と呼ばれることもあります。また、バミーを使用した麺料理そのものを指してバミーとも言います。日本のラーメンの麺に似ています。
ウンセン(วุ้นเส้น)
ウンセンは緑豆粉とタピオカでんぷんから作られるタイの春雨です。
その他
セン・ママー(เส้นมาม่า)
セン・ママーはインスタント麺のこと。タイで有名なインスタント麺「MAMA」からママーと呼ばれています。
セン・プラー(เส้นปลา)
セン・プラーは魚のすり身でできた麺です。
スープ
スープあり
一般的に「クイッティアオ(ก๋วยเตี๋ยว)」と言えば、スープありのクイッティアオを指します。
あっさりとした透き通ったスープ「ナムサイ(น้ำใส)」や、トムヤムクンのスープがベースとなる「トムヤム(ต้มยำ)」、ピンク色のとろみのあるスープが特徴の「イェンタフォー(เย็นตาโฟ)」、豚や牛の血が入った味わい深い「ナムトック(น้ำตก)」など、様々な種類のスープがあります。
スープなし
スープなしのクイッティアオは「クイッティアオ・ヘン(ก๋วยเตี๋ยวแห้ง)」と言います。お店にもよりますが、お好みでスープありのものをスープなしに変更することもできます。
トッピング
大抵の場合クイッティアオ・トムヤムには豚のひき肉が、クイッティアオ・イェンタフォーには揚げワンタンが、クイッティアオ・ムートゥンには柔らかく煮込んだ豚肉「ムートゥン」が入っているように、スープの味やメニューによっておおよそのトッピングが決まっていることもありますが、お店によっては細かく注文できます。
豚肉・鶏肉・牛肉・鴨肉(หมู ไก่ เนื้อ เป็ด)
豚肉は「ムー(หมู)」、鶏肉は「ガイ(ไก่)」、牛肉は「ヌア(เนื้อ)」、鴨肉は「ペッ(เป็ด)」と言います。
豚肉・鶏肉・牛肉・鴨肉の煮込み(หมูตุ๋น ไก่ตุ๋น เนื้อตุ๋น เป็ดตุ๋น)
柔らかく煮込んだお肉もクイッティアオのトッピングとしてよく使われます。例えば豚肉の煮込みであれば、お肉の種類に「煮込む/蒸し煮」という意味のトゥン(ตุ๋น)を付けて○○・トゥンと言います。写真は鶏肉の煮込みの「ガイ・トゥン(ไก่ตุ๋น)」です。豚肉はムー・トゥン(หมูตุ๋น)、牛肉はヌア・トゥン(เนื้อตุ๋น)、鴨肉はペッ・トゥン(เป็ดตุ๋น)と言います。
豚ひき肉(หมูสับ)
豚のひき肉「ムー・サップ(หมูสับ)」がトッピングとしてよく使われます。
ルークチン(ลูกชิ้น)
ルークチンは、魚のすり身やお肉から作られるタイのつみれです。日本のさつま揚げやかまぼこ、はんぺんを薄く切ったようなものもルークチンと呼ばれます。
ワンタン(เกี๊ยว)
ワンタンは「ギアオ(เกี๊ยว)」と言います。豚のひき肉や海老のすり身など、お店によって具材は異なります。
ワンタンの皮揚げ(เกี๊ยวทอด)
ワンタンの皮を油でカリっと揚げたもの。「揚げる」という意味の「トート(ทอด)」を付けて「ギアオ・トート(เกี๊ยวทอด)」と言います。クイッティアオ・トムヤムやクイッティアオ・イェンタフォーなどによく入っています。
調味料
基本の4種類
クイッティアオのお店の卓上(フードコートであればお店のカウンター)には基本的に4種類の調味料が置かれています。注文したクイッティアオをお好みの味に調整していただきます。また、調味料は地方によって異なる場合もあります。
砂糖(น้ำตาล)
砂糖(ナムターン)は甘味やまろやかさを加えます。
ナンプラー(น้ำปลา)
ナンプラーは塩味と旨味を加えます。
唐辛子入りのお酢(พริกน้ำส้ม)
唐辛子入りのお酢(プリック・ナムソム)は酸味と辛みを加えます。
粉唐辛子(พริกป่น)
粉唐辛子(プリック・ポン)は辛味を加えます。
注文方法
①麺の種類を選ぶ
②スープの有無や種類を選ぶ
③トッピングを選ぶ(トッピングの選択ができるお店であれば選びます。辛さが苦手な場合や内臓・にんにく揚げ・パクチー等を抜いてほしい場合、追加でトッピングが欲しい場合等もその旨を伝えましょう。)
例
■センレックのトムヤムスープのトッピング全部乗せをください。
เอา เส้นเล็ก ต้มยำ ใส่ทุกอย่าง ค่ะ/ครับ
アオ センレック トムヤム サイ トゥックヤーン カ/クラップ
■クイッティアオ・ヌアトゥンのセンレックをください。
เอาก๋วยเตี๋ยวเนื้อตุ๋น เส้นเล็ก ค่ะ/ครับ
アオ クイッティアオ・ヌアトゥン センレック カ/クラップ
■クイッティアオ・トムヤムのセンレックにルークチンと豚ミンチを乗せてください。
เอา ก๋วยเตี๋ยวต้มยำ เส้นเล็ก ใส่ลูกชิ้นกับหมูสับ ค่ะ/ครับ
アオ クイッティアオ・トムヤム センレック サイ ルークチン ガップ ムーサップ カ/クラップ
■パクチーは抜いてください。
ไม่ใส่ผักชีค่ะ/ครับ
マイ サイ パクチー カ/クラップ
เอา(アオ)・・・ほしい
ใส่(サイ)・・・入れる
ไม่ใส่(マイサイ)・・・入れない
~กับ~(~ガップ~)・・・~と~
日本のラーメン店と同じように、タイのクイッティアオのお店は特定のクイッティアオを扱う専門店である場合が多く、全ての種類のクイッティアオを扱うお店はあまりないため、まずは食べたいクイッティアオの種類を決めてお店を選びましょう。
フードコートや観光客が多い場所等では、麺やスープ・トッピングの組み合わせが決まっていて番号を言うだけで注文ができたり、サンプルが置いてあるため指差しで注文ができる場合もあります。
①~③は順番が前後したり、この通りではない場合もあります。
様々なクイッティアオ
タイには数えきれないほどたくさんの種類のクイッティアオがあります。この他にも地方によって様々なクイッティアオがありますが、代表的なものをいくつかご紹介します。
クイッティアオ・ナムサイ(ก๋วยเตี๋ยวน้ำใส)
あっさりとした透き通ったスープが特徴のクイッティアオ。写真は豚肉や豚ひき肉が入った「クイッティアオ・ムー・ナムサイ(ก๋วยเตี๋ยวหมูน้ำใส)」です。
クイッティアオ・トムヤム(ก๋วยเตี๋ยวต้มยำ)
タイを代表するタイ料理「トムヤムクン」のスープがベースとなるクイッティアオです。
クイッティアオ・ナムトック(ก๋วยเตี๋ยวน้ำตก)やクイッティアオ・ルア(ก๋วยเตี๋ยวเรือ)
スープに豚や牛の血が入ったクイッティアオです。なお、クイッティアオ・ルアはもともと船の上で売られていたクイッティアオを「船のクイッティアオ」という意味でクイッティアオ・ルア(ก๋วยเตี๋ยวเรือ)と呼んでいました。
クイッティアオ・イェンタフォー(ก๋วยเตี๋ยวเย็นตาโฟ)
米麹に紅南乳(豆腐を発酵させたもの)で作られた、ピンク色のとろみのあるスープが特徴のクイッティアオです。
クイッティアオ・ラートナー(ก๋วยเตี๋ยวราดหน้า)
肉や魚介類を炒めたものにとろみをつけたあんをもちもちの太麺(セン・ヤイ)や揚げた麺にかけたものです。
クイッティアオ・クアガイ(ก๋วยเตี๋ยวคั่วไก่)
下味をつけた鶏肉を、もちもちの太麺(セン・ヤイ)や卵と炒めた麺料理。イカなどのシーフードを入れるお店もあります。タイの淡口醤油やオイスターソースなどで味付けされた優しい味わいの、モチモチ、カリっとした食感の麺料理です。
クイッティアオ・ヌア(ก๋วยเตี๋ยวเนื้อ)
タイ中央部のペッチャブリーで有名な牛肉のクイッティアオです。
クイッティアオ・スコータイ(ก๋วยเตี๋ยวสุโขทัย)
タイ北部のスコータイで有名なクイッティアオ。ピーナッツを入れて食べるのがスコータイならではです。
最後に
タイのクイッティアオは麺の種類やスープの味、トッピングによって組み合わせは無限にあります。ぜひ皆さんもタイ現地で好みのクイッティアオを探してみてくださいね。
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住所:2323 Phahonyothin Rd, Lat Yao, Chatuchak, Bangkok 10900 Thailand