2011年12月5日、国王陛下生誕84周年の祝賀に当たり、国民は国王陛下の健康と長寿、幸福を願っている。
65年前の即位以来、国王陛下は王室プロジェクトとして知られる三千を超えるプロジェクトを手掛けてきた。王室プロジェクトは農業に従事をする人々の生活をよりよいものにする目的のため、治水、土壌管理、森林や環境再生、福利に関係している。
プロジェクトは多岐にわたるが、そのいずれもだれもが利用できる事業を創出することを目的としている。各プロジェクトは開発および研究、開発および教育、実験および開発から成る。その他にも王室指導プロジェクトがあり、日々の生活とともにミクロおよびマクロ経済に応用するために政府そして国民に提言される。具体的には、世界経済危機から身を守るための「足るを知る経済」の実践、農業活動における農地および水管理の新たな農業理論、農作業の効率化を図るため水牛の調教をする農業訓練学校などが挙げられる。
水に関連するプロジェクトは、水不足、洪水、水質対策からなっている。今年の洪水では、北部からバンコクへの水量を削減、減速する治水プロジェクトの成果が明らかであった。例を挙げると、ロッブリー県のパサック川に一千立方メートルを超える貯水量のあるパーサックチョンラシットダムを建設し、バンコクへの水量を減らす。
バンコクにおける水に関連するプロジェクトはすべて、タイ経済に対する洪水の影響を抑えるために、ビジネス街を洪水から守るものである。例えば、バンコク西部のサナムチャイ=マハーチャイ運河のガムリン(モンキーチークバルジ)は、大潮の時期も含めバンコク北西部の水をタイ湾に流す。ガムリンは干潮時に水を放水する前の貯水の役割を果たしている。
ラッドポー運河プロジェクト(サムットプラカーン県)は、バンコク南西部のもうひとつのプロジェクトで、今回の洪水に際してもより効果が明らかだった。タイ湾への排水が干潮時に5時間かかったところを10分間に短縮するために建設された運河である。今年の洪水時には、バンコクにおける干潮時の排水と、満潮時の海水位の影響を抑えるのに役立った。
重要なことに、バンコク東部のハタイラート、ギンケオ、ロムクラオ通りをはじめとする防水壁に関連する同地域のすべての王室推進プロジェクトがバンコクの冠水を防いだ。
王室プロジェクトは、自然管理だけでなく、国民の福利向上にも直接的そして間接的につながっている。また、多数のプロジェクトは観光スポットとしても広く認知されている。森林再生および冬作物の研究プロジェクトとしてドイトゥン開発プロジェクト(通称ドイトゥン)、ドイインタノン研究および開発プロジェクト、ドイアンカーンなどがある。治水および水質改善プロジェクトのリエムパックビアは、バードウォッチングサイトとしても有名。パーサックチョンラシットダムは列車で横断でき、黄色いカーペットのような広大なひまわり畑を訪れることができる。ラッドポー運河は「バンコクの呼吸器」と呼ばれ、バンナムプーン水上マーケットがここにある。
国王の類まれな才能と献身的な国への貢献により、現在タイ国民は洪水の被害を克服しようとしている。王室プロジェクト内の観光スポットそしてアユタヤをはじめとする洪水の影響があったエリアも観光客を迎える準備が整っている。旅行者は現在安心してタイを訪れることができる。