タイの観光における健康・衛生基準強化のための認証制度を始動(5月25日)
タイでは、観光及び保健当局の協力のもと、タイの観光産業の回復期に備え、国内外の観光客からの信頼を高めることを目的として独自の認証制度を立ち上げました。
2020年5月25日、「アメージング・タイランド健康安全基準(SHA)」プロジェクトの立ち上げがピパット・ラチャキットプラカン観光スポーツ大臣により正式に発表され、バンコク市内で記者会見が行われました。
観光スポーツ大臣は、次のように述べています。
「新型コロナウイルス(COVID-19)は世界中で急速に感染が拡大し、多くの尊い命を奪ってきました。現在、タイ国では感染症への迅速な対応と国民による全面的な協力のおかげで、感染の蔓延を抑えることに成功しています。しかし、依然としていわゆる『感染の第二波』に見舞われる危険は払しょくされておらず、予防と管理において今後も引き続き警戒と国民の協力を求める必要があります。また同時に、段階的な経済回復を確実にするため、新しい生活様式(ニューノーマル)に向けて生活の習慣を変えてゆかなければなりません。タイ政府はこうした段階的な新しい生活様式の導入により、人々が生計を立て通常の生活に戻ることを望んでいます。この間、政府の新型コロナウイルス感染状況管理センター(CCSA)から毎日発表される感染予防や健康管理に関する包括的な施策によりさらなる感染から人々を守ることは言うまでもありません。このように予防策と社会経済的復興政策の組み合わせにより、この危機的な状況をより安全に乗り越えることができるのです。」
続いて、観光スポーツ省のチョート・トラーチュー事務次官は以下のように述べています。
「観光スポーツ省の政策では、国が安全に旅行することができるとの状況を判断した後を考えて、旅行業者や観光客に関する準備をするということです。感染症は広範囲にわたる旅行の混乱を引き起こし、世界経済にも甚大な悪影響をもたらしています。観光業はその影響を受けた最初の産業であり、また通常の状態に回復できる最後の産業であるかも知れません。この産業の将来における持続可能性を確保するためには抜本的な調整が必要となります。観光スポーツ省は閣議決定のもと、観光政策の調整への取り組みをタイ国政府観光庁(TAT)に割り当てました。緊急の方針としては、衛生基準の強化と向上です。観光関連業者は、ここで定めた新たな衛生規範に従い調整を図り、感染収束後に観光客からの信頼を高めることができます。」
観光スポーツ大臣は、「このSHAプロジェクトは、観光を国全体の予防策の一環とみなし、国内外の観光客が前向きな経験を持つことでタイの観光商品やサービスの衛生と安全に満足できることを目指している」としています。
また、保健省衛生局長のパンピモン・ウィプラーコーン博士はこう述べています。
「保険省と観光スポーツ省の共同作業は、観光、スポーツ、そしてMICEの3つの分野おける『新しい生活様式』の向上を目指すものです。特に公衆衛生対策は、旅行による感染と伝染のリスクを低減させること、そして旅行への信頼を築くことで、今後の観光促進において大きな役割を果たします。保健省では、通常の旅行が可能となる迅速な復帰を促進するためにも、さまざまな目的地へ旅行する人々に対し、予防策を厳守するようお願いしたいと考えています。規制の緩和措置を講じた後でも、感染のリスクを軽減するために、全ての旅行者に所定のガイドラインを遵守して頂きたいと思います。」
一方、タイ国政府観光庁(TAT)のユッタサク・スパソーン総裁は、「高い安全衛生基準を確保することは、タイ観光が回復期に競争上の優位性を確立するための主要な基準の一つになるでしょう。たとえ旅行への欲求が依然として高いままであっても、現実に旅行の意思決定の段階になれば、みな自分自身の安全に確信を持てる目的地を選ぶはずです。」と述べています。総裁によれば、このSHAの実装において、登録する全ての施設が厳格な検査を受け、そのサービス基準の品質認証としてSHAロゴの表示を取得できるようにすべきであるとされています。この認証ロゴはTATにより発行され、有効期限は2年間です。認定された施設は全てデータベースによって管理されますが、違反が報告された場合この認定は取り消されます。
▼写真・ニュース(英語)▼
https://www.tatnews.org/2020/05/thailand-launches-certification-scheme-to-enhance-tourism-health-and-hygiene-standards/